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個人輸入代行の『舶来屋』がお薦めする「
町山 智浩
」関連の書籍をご紹介しています。 |
| 著書名 | アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks) | ![]() |
| 著者名 | 町山 智浩 | |
| 出版社 | 文藝春秋 | |
| ASIN | 4163707506 | |
| 装丁 | 単行本(ソフトカバー) | |
| 価格 | ¥ 1,050 | |
| 感想文 | 概要:アメリカの真実ですね 本文:アメリカ人を考えるとき、最近は日本の保守論壇の論客の考え方に影響を受けてしまっていると感じていました。それはそれでいいのですが、実際にアメリカに住む日本人映画評論家がアメリカ人を、あるいはアメリカと言う国を、どのように捉えているのかを知りたくて読みました。 政治評論家とは違った視点と分析なので新鮮でした。しかし正確な分析かどうかは私にはなんともいえませんが、アメリカ人は一部だけが優秀であり、その人たちで国家が維持できていることはなんとなく理解できました。WASPの強烈な白人主義もやっぱり町山氏も感じたのでしょう。 アメリカ兵の質も下がっているようです。イラク戦争のときテロとの闘いの中で、やはり米兵は強姦などの行為を行ったそうです。無論一部の兵隊さんなのでしょうが、軍紀がゆるんでいるのはアメリカ軍の歴史の中で最低レベルだと、町山氏は語ります。 全体を通して軽い語り口ですが、面白い指摘が満載です。彼の日頃の主張は良くわからないのですが、視点は面白いですね。「アメリカはもともと移民国家なのだから、移民を規制するのはおかしい」だとか、「アメリカは常に新しい血を取り入れることで超大国になった(つまり有色人種の流入をいやがる白人への皮肉ですね)」とか、そういうことを書いていました。 概要:町山氏らしい文体で読んでいて楽しい 本文:在米コラムニストでかつ映画評論家の町山氏のフランクな語り口が読みやすく、ペーパーバックにぴったり。いつまでも三面記事的なコラムが若々しさを感じさせ、ちょっとふざけた口調の町山氏は愛すべきコラムニスト。ニュースソースを集めてくるセンスがちょっとひねくれものな感じがでていて面白い。ニュースソースの出所も加筆されると更に良いと思います。日本ではなかなか自由に活動できないのかな?町山氏は在米してから実力が発揮できていると思います。 概要:なぜアメリカが変なのか理解した 本文:おかしなところが目立つ国アメリカ。この本の一番最初の章を読んで、その理由が分かった。キーワードはキリスト教福音派。自分の頭で考えないことを美徳とする教育や社会の風潮が根底にあるんだと分かって、疑問が解決しました。やっぱり、教育って大事なんだなぁ。そんなアメリカも昔は今ほど変ではなかったことや、日本では印象の薄かった共和党のマケインがナイスガイだという話も面白い。 概要:人の振り見て我が振りなおせか、冷笑し続けるか。 本文: アメリカの極右や宗教保守を笑いの種に仕上げた本書、政治風刺的お笑いが面白く高得点をつけた。 特にアン=コールターがブッシュを指して「彼は知的障がいがあるにもかかわらず、大統領になったんだ」から、「ハンディキャップのある人が努力して社会で成功」した例として賞賛せよ、の論にバカ受けした。 本書を創作のように書くレビュアーもいるが、特に面白い部分だけをピックアップしているとはいえ、書かれていることは事実。 他国では、庶民の笑いは、政治風刺など体制側を嗤う事で少しでも溜飲を下げようとの思いを含んでおり、そのような人気TV番組も多いが、日本ではその分野は未成熟で、メディアが勝手に自粛するおかげで、有名な芸人ではザ・ニュースペーパーや鳥肌実ぐらいしか思い浮かばないし、彼らの出番も少ない。 本書もその類にもれず、日本の風刺は行っていない。 妄言だらけの政治屋や、保守同士の分裂、連帯しあわない弱者・労組・野党など笑いのネタは少なくないのだから、左翼チックな糾弾・批判本でなく、このような筆致の笑える本が出版されればと思う。 そのような本が出ても、日本では行動でなく、更なる冷笑が世間を覆い、その間に支配者層による寡頭が進むのではとの懸念は大いにあるんですけどね。 概要:少し事実偏重が激しい気が 本文:米国の色々な事情についてのコラムをまとめた本ですが、何と言うか、非常に違和感を感じました。 例えば、キリスト教の福音派については、子供達にまるでカルト宗教そのもののような教育を行っていると批判しています。 確かに、一部ではそうした人々が居るのも事実でしょうが、一部の極端な事例をあげつらって、まるで全ての福音派がカルト宗教であると誤解させるような書き方は如何なものでしょうか。 また、メディアについてもある場所では「右派メディアが暴走して」と言っていますが、それでは「メディアがオバマを贔屓していた」という点と矛盾してしまいます。こうした細かい違和感が随所に感じられるのですが、そうした点についての説明は一切ありませんでした。 ついでに言えば、文章に品が無い。「ビチビチのビッチ」という言葉が出てきた時は、思わず笑ってしまいましたが……。 まぁ、出展元を見たところ、「週刊現代」「部落解放」「論座」etc...とあり、何となく理解は出来ました。 良くも悪くもゴシップ誌の記事程度のものです。 少しでも現在のアメリカ事情を知ろうと思って購入したのですが、私の目的には合いませんでした。(日本の週刊誌の記事だけを見て、「これが日本だ」などと判断したら大いに問題ですからね) | |
| 著書名 | キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢 | ![]() |
| 著者名 | 町山智浩 | |
| 出版社 | 太田出版 | |
| ASIN | 4778311523 | |
| 装丁 | 単行本 | |
| 価格 | ¥ 1,197 | |
| 感想文 | 概要:僕がアメリカに住んでた時に周囲にここに出てくるようなアメリカ人はいませんでした 本文:アメリカのゴシップ記事を日本に紹介する本 アメリカすげえってなるけど僕がアメリカに住んでた時に周囲にここに出てくるようなアメリカ人はいませんでした でもおもしろいです 単純に笑える 概要:安い! 本文:アメリカ在住コラムニスト、町山智浩氏の本がまた出ていたので買ってしまいました。 「日本のメディアが伝えない、アメリカの変な現実」(まえがき)が満載です。 大笑いしながら一気に読んでしまいました。 町山氏の変なものキャッチ・アンテナ、今回もさえています。 個人的にはやんちゃ坊主の「リル・ブッシュ」と、謎のミュージシャン、ジャンデックがとても気になるところです。 こういうC級ネタは、自分でもこまめにネットなど見ていればみつかるのでしょうが、なかなかそんな時間がない身には非常に重宝な本です。 そして、実はこのような周辺情報に、物事の本質は宿っていたりします。 単なるお笑い本ではなく、ちゃんと文明批評の本になっているところ、町山氏の選択眼(および時折挟まるつっこみ)の確かさが伺えます。 1140円という値段を考えれば、ものすごくお買い得な本だと思います。 お試しを。 概要:アメリカの見方が変わるかも? 本文:アメリカ在住者でなければ見えてこない 真のアメリカがここにはある!!と言うと 固い内容に思われますが、 そこは映画評論家である作者、 大体は映画やテレビから見えてくるアメリカを 鋭く、愛を込めて、時には怒りを込めて(あとがきを含む) 読ませてくれます。 最後に「ヤング@ハート」についてのコラムで締めているのが とても良いと思いました。 概要:アメリカの根 本文:映画評でも有名な町山さん。 アメリカ映画をからめたアメリカへメスを入れるコラムはとても興味深い。 アメリカの真実がここに見える。 TBSラジオ、コラムの花道を聴くとさらに立体的に...。 概要:読み終わった後、友だちに話して聞かせたくなる話題が満載の書 本文: 「USAカニバケツ」同様、アメリカの三面記事的ニュースを俎上にのせて、日本の通常メディアではなかなかお目にかかれないアメリカの顔を見せてくれるコラム集です。日本で言えば例えば、大声をあげて隣人を恫喝しつづけた騒音おばさんとか、「あるある大事典」のやらせ問題とか、そういった類いの世間の耳目を集めたイカレたお騒がせのあれやこれやがてんこ盛り。この著者の著作は出ればすぐに手にするようにしてきましたが、いつもながらの町山節にほれぼれします。 本書で取り上げられた事柄の多くは、便利なことに動画投稿サイトでも手軽に見ることができます。本書のコラムを1本ずつ読みながらわいてくる数々の疑問について---例えば、このテレビ番組って実際どんなものなの?とか この歌手の歌ってどんな感じなの?という疑問について、そうした動画投稿サイトでひとつひとつ答えを確認しながら楽しむこともできました。便利な時代です。 さて、私が特に心に残ったコラムは「『リトル・ミス・サンシャイン』と移民の国の夢」と題した一本。「リトル・ミス・サンシャイン」は私も好きな映画ですが、いわゆるロード・ムービーという映画ジャンルについて著者は、日本におけるロード・ムービーとアメリカのそれとの違いについてこう記します。 「アメリカン・ドリームを見失った時、アメリカ映画の登場人物たちは大陸を横断する旅に出る。そして何の保証もない未来をただ信じて果てしない荒野を進んでいた祖先たちに思いを馳せるのだ。」(355頁) なるほど、ただ単に北海道から九州へと日本を縦断してもアメリカ人のいうロード・ムービーとは歴史的にも文化的にも異質のものになってしまうということですね。 今後、アメリカのロード・ムービーを見る目が変わった気がしました。 | |
| 著書名 | 新版 底抜け合衆国 ~アメリカが最もバカだった4年間 | ![]() |
| 著者名 | 町山 智浩 | |
| 出版社 | 洋泉社 | |
| ASIN | 4862483747 | |
| 装丁 | 単行本(ソフトカバー) | |
| 価格 | ¥ 1,050 | |
| 感想文 | 概要:Keep on Rockin' in the Free World!! 本文:カルチャーを語る際に必要なのは、それに影響を与えた時代背景や、当時の社会の風潮を考察することだ。全ては時代の一部であり、その影響を受け、変化していく。だからこそ絶対的なものなど存在しないという真実が浮かび上がる。そういった多角的な視点を持つことこそが、異文化理解の始まりであると。その点において、町山氏は本当に視野が広い。政治、経済、宗教、風俗、映画、音楽、そして身近な知人、友人達までがごった煮になっている。 今作は、2000年から2004年までの4年間のアメリカの文化、TV、アート、芸能、etc…についてのコラム集。ちょうど前作にあたる『アメリカ横断TVガイド』も読んだが、クリントン時代とブッシュ時代、90年代と00年代というコントラストが、実にはっきりと読み取れた。とくに今作は、前作には無かった、アメリカに内在してしまった緊張感が図らずも滲み出ている。その最も大きな転換点となったのは、やはり9.11だった、とも。 まあ、とにかく面白い。なにより、彼の映画を始めとするポップ・カルチャーへの愛情がビシビシと伝わってくる。市井の人々と共にアメリカで暮らしてきて、その懐の深さを体験したひとだからこそ持ち得るものなんだろうな。マイケル・ムーアの『華氏911』も、クリントンの大陪審証言も、セックスも、痴話喧嘩も、スプラッターも、市民が見たいものならば公開するということ。そこには国家の思惑よりも、国民の欲望がある。需要がある。これが情報公開ってことだろう。民主主義ってことだろう。至極真っ当なことだと思うんだけど。ここ日本じゃ、それさえも操作されて選べないからね。 だから、かの国の人々は、昨年オバマを選んだ。町山氏は、そんな国民が政治を行う国としてのアメリカが大好きなのだろう。彼が日本ではなくアメリカに住むことを選んだ理由は推して知るべしだ。 テレビや映画や音楽など、アメリカ文化に興味があるひとはまず読むべきだと思う。オバマ以降の最近のアメリカ事情も、是非読んでみたい。勿論、ハワード・スターンの近況も。マジ最高です。 概要:面白いし、ためになる町山本 本文:町山さんを知ったのはあるラジオ番組で、この人言ってることが面白いなと思ったのがきっかけでした。本もそのまんま目のつけ所が面白く、まさにアメリカを底から見て考えることができるものだと思います。なかなかここまでネタが揃っている本はあまりないのでは。いまでは「カニバケツ」から「ステロイドを打つ」まで全部購入しました。やっぱ自由の国、多民族国家アメリカって面白いです。面白いけど真実なんですよね。 概要:アメリカの底から 本文:前著『オバマ・ショック』の前書きで、 「9・11テロ以降、アメリカはどんどん壊れていった」 とあるが、この本の方がその実相が伝わりやすい。 どれだけの影響がをもたらしたのかが。 『スーパーマン』をかいてる親子が、 「現実に悲劇が起きているのに、こんな絵空事を描いてる場合か?」 と論争したり、スーパーマンが、「私に不可能はない」と言いながら、 「でも、たった一つできないのは、漫画から抜け出して現実の不幸を救うことだ」 と語る話が書かれた短編集『9・11』について触れられていて、読んでみたいものがある。 私もいつしか、あまり絵空事のような物語を、見たり読んだりできなくなってきている。 また、マイケル・ムーアや、マクドナルドを自ら1ヶ月食べ続けた人体実験映画『スーパーサイズ・ミー』の企画・製作・監督・主演をした男、モーガン・スパーロックへの取材など色んな人から印象深いコメントを多く引き出されている。 はあ〜、国のトップが違うだけで、ここまで変わるとは今更ながら茫然自失となる。 ところで「オサム・テヅカ」と「オサマ・ビン・ラディン」って名前が似ているだろうか?テロ影響で「火の鳥」出版できないかも、という出版社のコメントが気になった。(出版されたのだろうか?)二人の名前をつい何回か声に出さず呟いてしまった。 町山さんの著作では、『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』の次に好きになった。いや、いちにを争うか。 しかも、このブ厚さで価格も安いのでお得。 | |
| 著書名 | 映画の見方がわかる本―『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで (映画秘宝COLLECTION) | ![]() |
| 著者名 | 町山 智浩 | |
| 出版社 | 洋泉社 | |
| ASIN | 4896916603 | |
| 装丁 | 単行本 | |
| 価格 | ¥ 1,680 | |
| 感想文 | 概要:タイトル通りの内容ではないが、とにかく面白い! 本文:必ずしもタイトル通りの内容ではありません。 映画はそれ単体で理解しようと思っても限界があり、 時代背景や作り手の思いなど、 周辺知識も知らなければ正確な理解はできない、 といったところでしょうか。 例えば『地獄の黙示録』は 世間で言われているほど奥の深い映画ではなく、 偶然や不運が重なり、苦肉の策を繰り返した挙句、 結果的に様々な解釈が可能な映画に仕上がっただけだそう。 だとすれば、かの立花隆氏が 「はじめて世界文学に匹敵する映画」と力説し、 上梓した『解読「地獄の黙示録」』の立場は?(笑) ただ、タイトル云々は別にして とにもかくにも読み物として非常に面白く、 読み出したら止まりません。 取り上げられている映画を見直したくなります。 概要:「映画」と「差別」 本文:この本を読めば映画が作られた当時の時代背景や映画会社の状況、監督の意図、脚本家の真意などが理解でき興味深いと思います。 しかし、この本で町山氏は映画と差別の問題に触れるのですが、町山氏自身が差別の本質を、まったく理解していないため、町山氏自身が差別を批判する「差別主義者」になっています。 自分の「偏見(差別意識)」に気がつかない、性質の悪い差別主義者だということです。この本は、その点に気をつけて読む必要があると思います。 概要:映画の見方が「かわる」本 本文:ニューシネマがどうして出てきたか、そしてどうして消えていったか、その前後のアメリカ史とみごとに絡めて説明していて、なるほどねぇと感心しました。ここに扱われている映画を見ていれば絶対に退屈しません。 ただ、2001年で HAL がなぜ狂ったのかを説明するのに、実は当初説明するシーンがあったのにそれを取ってしまったから理由不明になってしまったのだという細かい説明があり、確かにそれらの話は知らないことが多くてなるほどとは思ったのだけど、完成した作品に入っていないものによる説明のやり方は個人的にはちょっと納得できないところもあります。 概要:映画の背景を知る有益さ 本文:・この本で取り上げられているのは、「2001年宇宙の旅」、「俺たちに明日はない」、「卒業」、「イージーライダー」、「猿の惑星」、「フレンチコネクション」、「ダーティーハリー」、「時計じかけのオレンジ」、「地獄の黙示録」、「タクシードライバー」、「ロッキー」、「未知との遭遇」。 ・ 私は上記の映画のほとんどを見たことがある。ただ、この本を買っておいて言うのは何だが、好きだと言えるのは「ロッキー」だけである。私は暴力、精神異常などを描いた米国映画(「時計じかけのオレンジ」は英国映画だが)にはうんざりしている。それでも映画を見ていたのは、誇張されているとはいえ、米国の現実を知るには役に立つ部分があるからである。私のようにこれらの映画が嫌いでも、米国文化(特に1960年代〜70年代)に興味がある人には一読の価値がある。 ・ 映画には背景を知らなくても楽しめる部分はあるが、監督、脚本家、原作者の生い立ちと性格、映画の時代背景(冷戦、ベトナム戦争、黒人問題など)、文学の引用(「地獄の黙示録」での「闇の奥」)などを知ると、より一層その価値がわかるのは確かである。 ・私が高く評価している米国映画は、「スミス都へ行く」(1939年)、「十二人の怒れる男」(1957年)、「ウエストサイド物語」(1961年)などである。勿論、時代が違って焦点がぼけるので本書に加えるべきだとは言わないが、これらの作品についての町山氏の解説を読んでみたいと思った。 概要:理解できなくてもいい名画がある 本文: 映画というものが、どういうことを背景として作られてきたかが、よくわかる。公開当時爆発的にヒットし、名画にあげられているものの中に今は全く面白くないものがある。たとえば、「イージーライダー」や「明日に向かって撃て」などである。これらのどこが社会にインパクトを与えるほど面白いのか?名画なのか?その答えがこの本に述べられている。 当たり前のことなのだが、どの映画も、もちろん本や音楽も、その時代の制約を受けてしまう。特に映画は、娯楽でなければならないという宿命を背負っているために、その影響が顕著なのだ。その時代の空気がわからない僕には、その映画の真の姿、真の意味が伝わってこない。あるいは、伝わったとしても、その力は弱まってしまっている。 これは、「モナリザ」がなぜ名画なのかに似ている。モナリザ以前とモナリザ後で西洋の絵画が一変した。ダ=ヴィンチは解剖で得た知識などを使って人物をよりリアルに立体的に表現したのである。その歴史的意味においてモナリザはすごいのである。しかし、立体的に描くということで考えてみると、その後すごい作品が製作されているためにモナリザのすごさはかすんでしまっている。 このことに気づかしてくれるのが本書である。一読の価値あり。 時代を超えて評価される作品がすばらしいことはいうまでもない。「風とともに去りぬ」、「ローマの休日」「七人の侍」などはその筆頭に挙げられるだろう。しかし、別に理解できなくてもいい名画もあるのである。教養として観ておくのはいいのだろうけれど・・・。 | |
| 著書名 | アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲 (SHUEISHA PB SERIES) | ![]() |
| 著者名 | 町山智浩 | |
| 出版社 | 集英社 | |
| ASIN | 4087805166 | |
| 装丁 | 単行本(ソフトカバー) | |
| 価格 | ¥ 1,000 | |
| 感想文 | 概要:アメリカンスポーツショートエッセイ 本文: 著者の本は初見だが、上手く映画とスポーツを絡ませて、短文を書き上げている。 題名の「ステロイド」に惹かれて読み始め、すぐに米スポーツ界の宿痾と言うべき、ストロング願望に基づく薬物使用の現状ばかりを集めた本でないことは分かったが、1つ1つが『奇跡体験!アンビリバボー』で放送されるようなエピソードで、爆笑、賞賛、感心などが入り混じって展開され続けるので、最後まで楽しんだ。 四肢欠損でアマレスチャンプになった少年、時速560KM/Hも出るバイクで、488Mの峡谷を飛び越えようとしたスタントライダー、南部貧乏白人運動会など、アメリカだからこその“偉人”が出てくる土壌に、画一化された日本に住む者として羨ましさも持った。 米メディアまたはネットにネタはありそうだが、それは詮索しないでおこう。 46もの話題をエッセイに仕上げ、まとめた著者には、是非TV特番の構成作家をやってもらいたい。 概要:ほどほどにしましょう 本文:「はじめに」に出てくる映画『ビッガー、ストロンガー、ファスター』の紹介がいきなり衝撃的だ。 <「シュワルツェネッガーは一文なしのオーストリア移民だったが、筋肉で成功し、州知事までなった。アメリカンドリームだよ」 『ビッガー、ストロンガー、ファスター』で、ひとりのボディビルダーがそう語ります。彼は20年前、映画『オーバー・ザ・トップ』(87年)でシルベスター・スタローンと腕相撲を演じた男です。彼は50歳を過ぎた今も身体を鍛え続けています。でも定職はなく、家もなく、自動車に寝泊まりしています。ジムでたまにボディビルのコーチをした収入は全部ステロイド剤に消えていきます。彼には筋肉以外に何もありません。 ちなみに、この映画の副題は「アメリカ的になることの副作用」といいます。> アメリカを特徴付ける要素はいろいろあるが、過度の肉体信仰というのはそのひとつである。「過度の」というのは日本人から見るとそう見えるだけで、やっている本人たちは真剣そのもの。いろいろなことをエスカレートさせたらアメリカは間違いなく世界一でしょう。中庸はあまり美徳ではないのだろう。孔子先生が見たら何というだろうか。 ほかにも、ホセ・カンセコはステロイド打ちすぎて金●●が縮こまってた、とか、過激化しすぎたプロレス業界では毎年死者が出ている、とか、『ロッキー』の生卵一気飲みの元ネタ、とか、三面記事的な情報が豊富。そういう瑣末な記事からアメリカのリアルな姿を写生していく町山さんの腕前は相変わらず見事です。 概要:アメリカのスポーツの影、現実と感動のショートエピソードがいっぱい。 本文:プロスポーツを志す者には残酷な話や、アメリカ人のスポーツに過剰な入れ込み様の話や、某局の「感動のアンビ、、、」に紹介されそうな話まで、幅広い話があり、アメリカンスポーツに興味ある私にはいろんな意味で参考になる本でした。 概要:前半はよいが・・・ 本文:ステロイドに関して書いてある内容はよいのだが 後半はネタが切れたごとく、全然関係のない内容ばかりだった。 この題名に興味を惹かれた人は前半だけしか読まないだろう。 よって定価500円なら☆5つ間違いなし。 概要:やっぱりそうだったのか! 納得感とショックが交じり合った読後感です 本文: 現在のアメリカのスポーツ業界がいかにステロイド漬けになって いるかという話を中心に日本では、なかなか知りえないアメリカのスポーツに関する面白い話も満載です。 私自身はハルク・ホーガン以前の時代のプロレスファンだったので、当時、あったレスラーの薬(当時は、筋肉増強剤と呼ばれていました)に関するいろいろな噂の真相を本書を読んで、やっぱりそうだったのか!とつぶやきながら複雑な気持ちで読みました。アメリカのほかのスポーツはよく知りませんが、プロレスについては、筋肉ムキムキのマッチョなレスラーの人気がやたらと高かったことは確かでした。スポーツ界ではありませんが、映画のスターでも、シュワちゃんやらスターローンなどを見ると、どうやら、アメリカ人はなぜか、そんなタイプが好みのような傾向がありますね。 本書はちょっと時間がある時に、軽く手軽に読めます。この手の話に興味がある方は、一読されてみてはいかがでしょうか。 | |
| 著書名 | 〈映画の見方〉がわかる本80年代アメリカ映画カルトムービー篇 ブレードランナーの未来世紀 (映画秘宝コレクション) | ![]() |
| 著者名 | 町山 智浩 | |
| 出版社 | 洋泉社 | |
| ASIN | 4896919742 | |
| 装丁 | 単行本 | |
| 価格 | ¥ 1,680 | |
| 感想文 | 概要:目からウロコの町山節。見たい映画が増えました 本文:映画館もあまりいったことないし、この本にのっている映画も、 本を読んでから初めてみました。 そんな私でも、町山さんから繰り出される怒涛の知識と裏話に、 映画に興味をもてました。 映画ってよくわからないものだなー頭いい人がつくるからかなーなんて のんきに思ってた考えを改めました。 知れば映画はもっとおもしろい。 監督の人生が反映されたってことがわかるとさらに。 もっと映画を見てみようと思いました。 概要:カルト映画の花道 本文:80年代に入ると、映画界にあるひとつのジャンルができあがる。熱狂的なファンを持ち、その映画を神話的な存在まで格上げする「カルト映画」というジャンルだ。 70年代のハリウッドが、その映画の脚本から完成までを監督がコントロールする「映画作家の時代」とするなら、80年代のハリウッドはそうした映画作家を追い出し、50年代のきらびやかな「夢工場」へ回帰した時代だと、まず著者は定義する。もちろん、このことへのきっかけには、1980年にマイケル・チミノが思う存分予算を使いつくった『天国の門』が興行的にも批評的にも大失敗し、ユナイテッド・アーティストを倒産させてしまったという有名な事件も大きな要因になっている。映画の全部を監督の作品にこだわる狂気に任せておいたら、どんな映画会社でも簡単に倒産しかねないという大きな教訓をその後のハリウッドに残してしまったわけだ。 町山智浩のこの本は、そうした新保守主義ともいえる80年代のハリウッド映画の陰で、スタジオから締めだされた映画作家8人の異様な「カルト映画」8本を中心に語った本である。どの作家のどの作品も、私にとっては(オリバー・ストーンとダンテを除けば)80年代の映画のある側面を象徴する個人的にも大好きな記念碑的作品ばかりという印象だ。それを今思うとやはりたしかに80年代というのは異様な時代だったかもしれない。著者のこれらの作品を検証・解剖する手際は、監督へのじっさいのインタビューも交え、それはもうみごとである。本全体を貫くその評論のやり方は、著者がジェームズ・キャメロン『ターミネーター』の章でも書いている「優れた映画とは、キャラクターが観客の第一印象のままに終わらず、層を剥ぐように意外な本質を見せていくものだ」(P.90)という言葉に代表されている気がする。まさに各章に目から鱗のさまざまな驚くべき映画的真実が隠されている80年代アメリカ映画への愛情に溢れた好著と言える。ポッドキャスト配信「町山智浩のアメリカ映画特電」とこの本で、私はますます町山ファンになってしまった。 ところで町山智浩のこの本は、上記のような映画を意外とあっさり無視してしまったもうひとつの80年代的映画界の象徴的な出来事、(作家主義にこだわった)季刊「リュミエール」という映画誌への復讐劇と言えなくもない。 概要:「好き」だけ だった映画が、 本文: ほとんどが好きな映画ばかりで、本当にうれしい。 映画論としては作品だけを取り上げて論じていく方法もあろうかと思うが、この本は「映画の見方がわかる本」と題してあるとおり、より幅広に監督にスポットを当てて、圧倒的な情報と論理で解説している。 特に優れていると思ったのは、リドリー・スコット、クローネンバーグ、オリビア・ストーン。ディビット・リンチについては先行の情報がいっぱいあるので、まあこんなものかと、、、私には著者のほとんどの意見に首肯できました。(圧倒的に論理的だからなあ、感覚的に違うというところはもちろんありましたけど) 取り上げられている映画は クローネンバーグのビデオドローム ジョー・ダンテのグレムリン キャメロンのターミネーター テリー・ギリアムの未来世紀ブラジル オリビア・ストーンのプラトーン デヴィット・リンチのブルーベルベット ポール・ヴァーホーヴェンのロボコップ リドリー・スコットのブレードランナー 80年代のアメリカ映画、カルトムービー編 という副題は、、、、カルトだとあんまり認識していなかった私にはそれがちょっとショック。 概要:だからこれは映画史の本なんだってば… 本文: シリーズ前作と同様、著者は本書でも「はじめに」で、率直に執筆意図を明かしています。私など、まったく申告通りの本だなァと思うのですが、あんまりアカラサマなんで、多くの人は気に留めないで通り過ぎてしまう様子です。 前作では60年代末に登場した「ニューシネマ」の諸作品がハリウッドの旧体制に風穴を開ける場面から、『ロッキー』(76)により再びその穴が閉じられ、ファンタジーに回帰するまでの歴史が辿られました。本書ではその後の80年代、コングロマリットの傘下に取り込まれたハリウッドで、映画がマーケティングに基づいて背広族が企画する単なる「製品」になってしまった時代が対象です。 ただし取り上げられるのは、そうした時代における「映画作家」、つまりアウトサイダーたちです。だから「カルト・ムービー篇」なんですね。 ただし、確かに80年代の「映画作家」は70年代とは異なります。70年代の監督たちが旧体制に対する批判者、反抗者として自己を確立していったのに対し、本書に登場する「映画作家」たちはもっとずっと自分自身に忠実です。小難しく言うと、否定から肯定に転じている。モダンからポストモダンに移行したワケですね。 タイトルから明白なように、本書では『ブレードランナー』は格別の扱いを受けています。私なりの解釈ですが、それは本書で取り上げられた他の作品群が「無意識的に」ポストモダンであるのに比して、『ブレードランナー』がポストモダンを表象しようとしているから、ではないでしょうか? 次回作は「ブロックバスター篇」だそうです。期待してます。 概要:本当はマッチョではないでしょう 本文:「2001年宇宙の旅」から始まる映画解説である。 「趣味を仕事にしてお金をもらっている」ことに対する後ろめたさから、言い訳めいた記述がされているのがとても気になる。いうなれば「俺はもとはといえばただの映画オタクなんだけど、みんなより知識があるから、損をさせないようにちゃんと説明するよ。決してボっているわけじゃないんだ」。 本を出すほどの映画ライターになったのであれば、そんな言い訳などせずに自分の言いたいことだけを言えばよい。損をしたかどうかは、読者が判断すればよい。むやみと「いかさまじゃないですよ」のごとき言い訳があるほうが、よっぽどいかさまらしくなる。 ところで、町山氏が理解を極めた(とする)映画「2001年宇宙の旅」は、このような長文の解説がないとその全貌がわからないという、難解な映画であったわけだ。 町山のしていることというのは、「難解な映画がある」→「映画に詳しい俺が分析する」→「俺の解説を読むことによって、そんなに映画を極めていない一般人も理解ができる」→「よかったよかった」という構図になる。リンチ映画などもそうだが、私はこの構図にはうさんくささを禁じえない。それでは、解説がセットになった一連の商品戦略になってしまう。 おそらく、町山もこれに気がついているはずだ。だから、よりいっそう後ろめたくなる。「映画に詳しいというだけで商売しているうえに、難解な映画におんぶしてさらに商売している自分」というものに対して。 また、暴力的な描写に対してやたらな寛容さを見せるところとか、「こういう感覚は男でないとわからないよね」「俺って男らしいだろ」というようなノリの文章を見るにつけ、「あ、逆なんですね」と思わざるを得ない。 | |
| 著書名 | オバマ・ショック (集英社新書 477A) | ![]() |
| 著者名 | 越智 道雄, 町山 智浩, | |
| 出版社 | 集英社 | |
| ASIN | 4087204774 | |
| 装丁 | 新書 | |
| 価格 | ¥ 735 | |
| 感想文 | 概要:アメリカの2大政党の基本も分かる! 本文:オバマショックと言うよりは、 金融ショックとか、アメリカショックという タイトルが合っているのではと感じました。 オバマ大統領のことは、 最後にちょろっと書かれているだけです。 いずれにせよ、 アメリカという国も面白いくらいよく分かります。 民主党ローズヴェルトが行ったニューディール政策、 共和党レーガンのレーガノミックス、 これらの政治的歴史変革期の 始まりと終わりが見えてきます。 それと同時に、まるで政治はシーソーゲームなんだな、 というような考えに達しました。 大きな政府か小さな政府か?リベラルか保守か? アメリカの2大政党の基本も知る上でも、 非常に優れた良書だと思います。 概要:自由と平等の対立 本文:町山智浩さんと、越智道雄さんの対談。 話はアメリカの歴史、政治、文化まで縦横無尽に広がる。 前半は、近代アメリカ史、 後半は、歴史の流れを継いだオバマの話。 衰退しないためのキーワードは 各国共通で、たったひとつ。 モノを生産する 越智道雄さんの不安。 オバマが持つ"強運" その代償は、さらなる世界不安を引き寄せて しまうのではないのか・・・ ということ。 果たして、この予言は当たるのか? 概要:アメリカの現実が伝わる一冊 本文: アメリカ暮らしの町山氏とアメリカ史の権威越智氏の対談本である。 町山氏の具体的なアメリカの内面を切り込む話に、越智氏が補足を加えて話すがどんどん進んで行く。ブッシュ・ジュニアが最低の大統領だと走っていたが、レーガンも同類だとは認識していなかった。 映画「スター・ウォーズ」の時代劇・黒帯の話も面白かった。 しかしながらオバマはアメリカを救う救世主となるのであろうか?個人的にはロックフェラー・グループなどの圧力があるので、かなり怪しいと思うのだが・・・。 概要:アメリカ今日論 本文:タイミングとして「オバマ」を題名にした感はあるが、気楽に読める現代アメリカ社会、風俗論。 アメリカという複雑で大きな対象の一断面を理解できる。尤もらしいアメリカ政治論よりは参考になる。ある一面からの視点ではあるが。 概要:より深堀りされた今後の著作に期待 本文:タイトルに惹かれて買ってみたが、中身は割と普通のアメリカ社会・文化論にとどまり残念だ。 オバマを社会学・文化論の視点から分析しようという試みは興味深いと思うし、そのような書籍はまだあまり見ていないように思うので、基本アプローチは悪くないはず。ただ、オバマ本ブームにあやかってちょっと拙速に世に出しすぎてしまった感が否めない。 内容は著者の他の書籍の繰り返しであり、手軽にまとまった形でその概要を知ることができるというメリットはあるものの、新書にするために中身が薄くなってしまった分、中途半端感が残ってしまう。 他の方のレビューにもあるが、オバマに関する章は最後の章だけだ。繰り返しになるが、著者ならではのオバマ現象に対する社会・文化論的アプローチには興味をひかれるので、同章をより深堀した厚みのある次作の登場を期待したい。 | |
| 著書名 | USAカニバケツ | ![]() |
| 著者名 | 町山 智浩 | |
| 出版社 | 太田出版 | |
| ASIN | 4872338936 | |
| 装丁 | 単行本 | |
| 価格 | ¥ 1,554 | |
| 感想文 | 概要:地続き感覚で読める 本文:この本に書かれているのはスポーツから有名人、ゴシップなど便宜的にカテゴライズされてはいるが要は"アメリカの実際のトコロ"だ。 草の根的なタブロイド記事を拾い、それを切り口によく知られている、例えばニュースで流れているようなアメリカ人像とはかけ離れたものを教えてくれる。どちらも本当のことだろうし、良し悪しの問題ではない。ただ、筆者の「これだから米国は」とただバッシングするような嫌味な感じのしない書き方には私達にリアルにアメリカを見せてくれる。それだけは確か。 概要:至高のジャンク・フード、みたいな… 本文: 「いつの間にかポテチを一袋空けてしまった、ゲップフィ…」というのが率直な読後感。カニバケツとはバケツの中のカニの群れが互いに足を引っ張り合い、結局一匹も脱出を果たせぬ有様を意味するそうだが、本書には米国庶民の、このバケツカニたちのように情けなくショーもないドタバタをめぐるジャンクな話題が満載。 ただし話題はジャンクだが、志は高い。あとがきにある通り、米国在住で「ウォール・ストリート・ジャーナルよりスーパーのレジで売ってるタブロイド紙を読み、CNNより『コメディ・セントラル』の冗談ニュースで政治経済を知り、アメリカを底の方から見ている毎日」を過ごす著者が、「幻想になりつつあるアメリカン・ドリームを、スポーツや芸能やTVが庶民に提供し続け、欲望だけが肥大化する現状、そして、その中で戦っている人々の姿」を伝えようとした、骨のある一冊。「痛ッ、痛ッ…」と頭を抱えつつも、決して天使のようではないトラッシュな人々にいつしか共感し、愛しさがこみ上げてくる。 正直なところ、本書所収の記事1本1本を初出の雑誌で見かけても、私は読み飛ばして忘れていただろう。でも、「量は質に転化する」。本書全体から、これまで十分に伝えられてこなかった米国がリアルに立ち上がってくる。 いやあ、でも、米国って国はホントに… 概要:はんぱではない 本文:アメリカ研究者」とよばれるひとがいる。 彼らは細かいことにはやたらくわしい。「蛸つぼ」系、である。そんなひとたちほど、著者がいうように、アメリカに行っても大学の紀要か「ニューヨーク・タイムス」しか読まない。日本の「真実」が「うわさの真相」や「ナイタイ」にあるように、アメリカの「真実」もまた、二流・三流の世界のなかにある。その実相を僕らはほとんど知らない。研究者やジャーナリストのほとんどは、ニューヨークは好きだがノースダコタには興味がないのだ。本書の無数のエピソードはそれぞれつながりがあるわけじゃない。でもどっちかというと「ダメ」なところで共通しているし、著者はそれを断罪するのではなく、暖かい目線をおくってるようにおもう。九・一一以後、やたらアメリカ社会を断罪する、切ってすてて溜飲をさげるような記事や本が、ちょっとはやった。そういう反米主義は結構だが、マイケル・ムーアしかり本書の著者しかり、もうすこしアメリカ社会に内在した、腰が据わった本が必要じゃないかとおもっていた。本書はそれにあたる、いろんな分野の人がよんだほうがいいと思う。おもしろいし。 概要:掃き溜め話の中に、キラリとひかるアメリカが混じっている不思議な書 本文: 冷戦後唯一の超大国となったアメリカ。政治・経済・文化の中で図抜けた地位を占めるこの国についてはどうしても華やかな面ばかりが強調されて伝わってきがちです。本書は、その国の薄汚く、常軌を逸した人々をこれでもかという具合に取り上げたワイドショー的一冊です。一日で読める頁数とはいえ、気分のふさぐ話が続くので一気に読むのは憚れます。 例えば、視聴率至上主義のテレビ業界のあきれた番組「フィア・ファクター」。素人が様々な我慢ぶりを競い合うという内容ですが、「400匹のネズミ風呂に入る」「ボウリングで倒せなかったピンの数だけ生きたカブトムシを食べる」といった悪趣味ぶり。 またアメリカの保守層の教条主義的な側面を伝えるアーカンソーの事件。8歳の少年が殺され、犯人として高校生ダミアンが逮捕されます。しかし彼が犯人であるという確たる証拠はなく、調べていくとどうやら彼が保守層の反感を買うような、黒Tシャツを着てメタリカを愛聴するGOTH少年だったことによるつるし上げの様相を呈してきます。裁判はダミアンに不利なまま進み、彼は今も獄中にあるとのこと。 それでも、痛ましさの中にもアメリカの力強さを感じさせるエピソードがいくつか紹介されています。 またダリル・ハンナの復活に至るこの10年のお話も、ちょっといかれた女の子だと思っていたハンナが急にとても愛らしく見えてくる内容です。 清濁あわせてアメリカ社会を複眼的に見ることの出来る、奇妙な魅力をもった一冊です。 概要:知らないアメリカの話が色々と。 本文:一昔前までは、アメリカって良さそうな国だなあと思っていました。とにかく自由で、実力主義の国なんだろうな、と思っていたので。 でも最近のアメリカの有り様には、憧れよりも寧ろ疑問を感じる事がしばしば。一体アメリカで今、何が起こっているんだろう?と。 TVや新聞のニュースでは、公的見解と結果しか読み取れません(私は)…そこで、偉そうな…いや、華やかな…アメリカの内部事情を率直に、生々しく書いてくれたのが、この本だと思います。大リーグで大活躍だったI氏が、新人の頃にイジメにあってたなんて全然思いもよらなかったですし、ドキュメンタリー映画で冤罪の可能性を限りなく示唆されながら、犯人と目された青年に死刑の判決がなされていた事件等も、この本で初めて知りました。…巨乳しか雇わない会社がある事なんかも(苦笑) 同著者の『底抜け合衆国』では政治的な面での「なんか変じゃない?」という話が読めましたが、この『USAカニバケツ』では、芸能やスポーツに関する「なんか変じゃない?」という話が読めて、とても面白かったです。ちょっと皮肉な視点と、読みやすい文章が大好きですので、これからも町山氏には同様の著書を出していただきたいな…と願っています。 | |
| 著書名 | 新版 アメリカ横断TVガイド | ![]() |
| 著者名 | 町山 智浩 | |
| 出版社 | 洋泉社 | |
| ASIN | 4862484115 | |
| 装丁 | ペーパーバック | |
| 価格 | ¥ 1,050 | |
| 感想文 | 概要: 本文: | |
| 著書名 | オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史 | ![]() |
| 著者名 | パトリック・マシアス, 町山 智浩, | |
| 出版社 | 太田出版 | |
| ASIN | 4778310020 | |
| 装丁 | 単行本 | |
| 価格 | ¥ 1,554 | |
| 感想文 | 概要:アメリカの規制や勝手な編集をくぐり抜けながらも確実に向こうのオタク達に影響を与えた日本のアニメや特撮達。おもしろいんだけど値段が高い。 本文: ウルトラマン、ウルトラセブン、宇宙戦艦ヤマト、ガンダム、ガッチャマンが、アメリカで残酷なまでにアフレコや再編集でオリジナリティを損なわれながらも、海の向こうでもオタク文化を形成していった様子が、作者の体験記を元に語られるのが、ものすごくおかしい。 ウルトラマンのレッドキングが、別の怪獣の翼をもぎとるシーンとか、ウルトラセブンのアイスラッガーが、怪獣を首チョンパするシーンが子供向けではないからといって全面カットされるほど暴力には敏感な国がなんであんなに殺人事件が多いのだろうか? ただ、おもしろいのは、前半だけで、後半になってきて、アメリカのオタクの紹介とかになってくるとどうでもよいので流し読みしてしまった。 概要:紆余曲折の米国オタク文化輸入史 本文: 少年時代から日本製マンガやアニメのファンだった著者が自身の成長と重ね合わせて語る、米国のオタク文化輸入史。「日本文化は米国でも大人気」的なヲタ・ナショナリズムに媚びた内容ではなく、観客のほとんどが米国在住の日本人という有名歌手「米国公演」の実情、最近のゴジラシリーズへの辛口コメントなど、かなり硬派な内容も含まれている。 30年以上の紆余曲折を経て米国に定着したオタク文化とそれを取り巻く人々。カワイイ系の少女マンガを愛する(自作のイラストも上手い)と同時に枢軸国の一員だった日本を讃えるネオナチ少女「Dちゃん」など、実際に会ったらどう対応すべきなのか悩んでしまう。一方で、それはまた誤解の歴史でもあった。現実と混同された『SHOGUN』の日本像、原作の雰囲気をぶち壊す粗悪な吹き替え、こじつけと勘違いの深読みオリエンタリズム…。 だが、こうした誤解・勘違いを我々日本人が軽々しく見下すのは慎むべきだろう。異文化間の交流に多少の誤解や軋轢はあるのが当然だし、上のような事例を目にするたびに「日本を誤解している」と息巻く人たちが、偉そうなことを言えるほど他国の歴史・文化に理解が深いようにも思えない。むしろ本当に問題なのは、登場人物がスポンサー企業の商品を飲む場面が米国公開で追加されるような「恥知らずなタイアップ」や、とにかく「売れること」を狙って作品をいじり回しては結局台無しにしてしまう商業主義ではないだろうか。そしてそれは、「良い作品」より「売れる作品」がまず求められ、有形無形の規制・圧力やスポンサーの意向が制作の現場を縛る日本自身にとっても、決して他人事ではない。 著者の「自分たち自身」を冷静に相対化する視点(おそらく今のオタク文化に一番欠けている部分)が深い。一見軽めのテーマや文体とは裏腹に、いろいろ深く考えさせられる1冊だった。 概要:正確です。 本文:著者と同じ1972年生まれだが、彼の地ではこんな感じの人生が送られていたのか、という点が興味深かった。 著者と同じく、サクラメント市に個人的な地縁がある。まあ、そりゃ退屈だったろうし、あんなコミユニティの中では著者がマイノリティだったであろうことは、想像に難くない。 著者は、そのような環境で育ちつつ、本書の様な日本人にとっても違和感のない「オタク本」を刊行するに至ったのであって、それ自体は大成果だと思う。ただし、見逃してはいけないのは、翻訳者だ。著者は、翻訳者から「先輩」的な接し方をされたと述べているが、それこそが本書の成功の鍵だった様に思う。この辺のトピックって、どうやって「共通の概念」を定義づけるかにかかってたりするからねえ。。。。 いずれにせよ、続刊があれば、買っても良いかな、というくらいには、興味深い。 概要:優れた文化論 本文:一見オタクのウンチク話に見えながら、この本が優れた文化評論になっているのはオタクの本質を見事に言い当てているからであろう。これには感心した。著者は日本のオタク文化がなぜ世界に受け入れられたかについてこう述べている。 「世界のオタクたちが日本のオタク文化とファースト・コンタクトするきっかけはそれぞれ違うけど、根っこの部分には共通するものがあると思う。つまり、彼らはみんな生まれてからずっと自分をとりまく環境、支配的な文化に 対して不満があって、そこからの脱出を日本製ファンタジーに求めたんだ」 Jocks(ジョックス。「体育会系」という意味で、運動選手が股間つけるサポーターの意味)が幅をきかす学校に耐えられず高校を中退した著者にとって、日本のマンガ・アニメは「新たなる希望」であったのだ。 概要:広い視野が良い 本文:読んで面白いと感じたとすれば、この本が特別面白いのではない。 今がよほど酷いものばかりがあふれている、というのが正しいだろう。 外人のオタクの持つ元気が、閉じこもりきっている日本のオタクを救済してくれるのでは、とすら感じる。 単純にオタク知識を集めたい者としても、買って後悔することは絶対にない本である。 あえて言うなら、「日本は男尊女卑の国」といったレベルに留まっているのは残念。 | |