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個人輸入代行の『舶来屋』がお薦めする「
カネボウ
」関連の書籍をご紹介しています。 |
| 著書名 | 経営不在―カネボウの迷走と解体 | ![]() |
| 著者名 | ||
| 出版社 | 日本経済新聞社 | |
| ASIN | 4532311667 | |
| 装丁 | 単行本 | |
| 価格 | ¥ 1,575 | |
| 感想文 | 概要:新聞記事を読んでいるようです 本文:カネボウが形をかえつつ、どうやって繊維事業から、多角化経営へと移管することができたのか? 非常に綿密に記載されています。大きなパラダイムシフトがあり、その中での経営者の手腕を感じることができたり、よく見る光景だな。といったような箇所もあり、親近感のある本でした。 概要:これからに期待 本文:カネボウの歴史を踏まえた産業再生機構への支援要請に至る過程、およびそこでの企業再生の経過を記したもの。 カネボウは歴史のある企業で、過去の日本での典型的といえる経営をしていた。そこに見られるのは、成長に伴う多角化(カネボウの場合は範囲の経済の伴わない多角化もあった)や労使協調、終身雇用というものである。もちろんそれらの日本的経営と呼ばれる要素は単純に悪いものと断定すべきものではないが、カネボウの経営においては足を引っ張ってきたものが多い。しかし日本的経営自体が悪いのではなく、そこから派生する悪しき習慣が最大の原因であろう。具体的に言えば、経営者が企業の業績が悪い時期に危機感を持たずに、改革をしきれなかったことや、事業縮小による人員の削減を断行できないため、赤字事業からの撤退が出来なかったことなどが挙げられる。もし経営陣が危機感を持ち、マクロな目で物事を捉えたり資本の集中投下やコスト削減策を本気で考えていたら今とは異なる結果になっていたかもしれない。 そしていざ改革をする段階になっても、メインバンクから経営陣の一部を送り込まれていたことが経営陣の一致団結を妨げることになったのもカネボウが迷路に追い込まれていく原因の一つである。 これからについて。カネボウ本体と化粧品部門は分かれることになったが、過去の膿を全て出し切ってしまうという姿勢は大いに評価できるし、まず再生のスタート地点には立てたのではないだろうか。 今後発覚する過去の負の面があまりに大きすぎて再生が困難になるかもしれない、独自の経営資源による戦略が時代遅れになっているかもしれない。だが、竹中さんなどが日本の市場に認識させた「借りた金は返す」という当然の論理を貫徹しつつ、日本的経営さらにはカネボウの独自性に磨きをかけた今からの経営を目指して欲しいと思う。 概要:タイトルの意味を考えると 本文:『経営不在』というタイトルに疑問をもって読んだ。 しかし、内容・構成ともに充実している。 三井家による創業後、武藤山治・武藤絲治を経て、 当時の2人の個性と経営理念はきわめて盤石なものであり、 信念を貫く個性的な経営者の活躍を紹介しておきながら、 著者の結論は、支援機構が主張するように、 市場での成否や粉飾といった問題は別として、 帆足時代以降、 概要:意外に読みごたえがない 本文:本書を読めば、カネボウの迷走の一端を垣間見ることができる、という表現が合うのではないか、と思います。日経新聞らしく、カネボウや花王トップのインタビューや独自の取材で掴んだ情報が随所に出てきて臨場感がありますが、一方で、核心まで詰め切れていない印象も受けます。脇役の話が少ないからでしょうか。舞台裏で奔走していた三井住友銀行やユニゾンキャピタルの担当者の話が載っていたら、分析がもっと多角的になり、当社の迷走の真の原因が重層的に浮かび上がったのではないかと勘ぐっています。 概要:真の顧客回帰を促す 本文:カネボウの以前のキャッチフレーズ「For beautiful human life」は、この本に述べられている、実質的創業者の武藤山治氏が『女工哀史』にあったような劣悪かつ非人道的な就労環境からの開放を目指したポリシーに根ざしていたと言える。 これほどまでに社会的使命を負い、それを意識した経営を進めていたはずのカネボウがなぜ「経営不在」に陥ってしまったのか。 それは、同じくこの本の中に記されている、打ち合わせの席に伊藤淳二・元会長兼社長がひょっこり現れたときにそれまでぞんざいな態度で客に接していたカネボウ社員が急に直立不動の姿勢になったというエピソードにも現れている。 つまり、社会的意義を忘れたカネボウは、社員総出で内向けの努力に腐心するような体質になってしまっていたのだ。 今「社内顧客」というコトバがもっともらしく使われるケースがあるが、そういうことをやっている企業はカネボウと同じ轍を踏む可能性を大いに持っていると言える。そうした企業は、今すぐに意識を改め、真の顧客本位の姿勢へと回帰することが強く求められているということを、この本を読んで理解すべきだろう。 | |
| 著書名 | キヤノンとカネボウ (新潮新書) | ![]() |
| 著者名 | 横田 好太郎 | |
| 出版社 | 新潮社 | |
| ASIN | 410610153X | |
| 装丁 | 新書 | |
| 価格 | ¥ 714 | |
| 感想文 | 概要:明日はどっちだ? 本文:著者のカネボウからキャノンにトラバーユしたという経歴が 強い誘引だ。普通考えられ無い。 奥深い内容というわけではないが、エピソードの数々が ボジョレーヌーボーの香りのように立ち上がってくる印象。読む人によって さまざまな想像が膨らむ感じ。 カネボウは古い体質として、キャノンと比較が語られるが、 それでも、当時の主力部門である、繊維商品と 化粧品部門の シナジー効果を発揮して、ヒット商品を飛ばした話を読むと ダイナミックな経営をやっていた印象を受ける。 むしろ、キャノンのほうが、新規事業の取り組みに 慎重と見える しかし、両者の明暗のコントラストは大きい。その原因はなんだったのか 知らず知らずのうちに考えさせられる。 カネボウは折角の化粧品の収益が再投資されず、祖業の繊維部門の赤字 補填に流され続ける。 一方キャノンは最初の製品のカメラで業界の首位を維持つつ、事務機機器の 分野に経営の軸足を果敢に動かしていく。カネボウもこうしていればとの著者の ため息が聞こえてくる気がする。 過去の栄光を歴史と見るか、今日も続く現実と見るかの意識の差がが明日を決めるということか。 自分の中の引き出しが増えた時、また読み返したい本だ。 概要:キヤノン退職後に書いていたなら更に客観的になれたのではないか? 本文:企業文化の異なる2社に在籍した著者の企業比較. 著者が鐘紡に入社したのは30年以上前だが,今では考えられないような状況であった.社員は家族であるという,良くも悪くも日本の古き伝統が生き残っていた時代である.鐘紡の問題点は,その日本式経営を続けてしまったことにあるのだろう.粉飾から,現在の解体寸前の状態に至るのは,必然とも感じさせられる. 著者の心の中に,鐘紡を懐かしむと同時に,何とかならなかったというもどかしさもあるのだろう. 残念なのは,キヤノンに在職中であるため,キヤノン賛歌に終わっている点である.退職後であれば,問題点も描き出せたように思うのが残念である. 概要:カネボウへの鎮魂歌 本文:47才でカネボウからキャノンに転職した著者が、自らのサラリーマン人生を振り返り両社の文化を語る。筆者は寡聞にして知らなかったが、著者の横田氏は化粧品のマーケッティングでは著名な方だそうだ。 カネボウは戦前アジア全域に鉱山まで持っていた巨大な国策会社であった。しかし戦後は基幹の繊維部門がアジア各国から追い上げられて不振を極め、ついに粉飾決算をおこなって会社が消滅した。著者がカネボウを移ったのは上場廃止(2005年)の10年前、1995年のことだ。当時はカネボウがなくなるなど思いもよらなかったに違いない。著者はカネボウの経営層に愛想をつかして会社を辞めた。しかし長年勤めた会社に深い愛情がある。カネボウ時代の回想からはそのことが痛いほど伝わってくる。 消滅した名門企業カネボウと今や飛ぶ鳥を落とす勢いのキャノン。本書の企画自体は対照的な両社の企業文化比較を意図したものだろう。 その意味でおもしろいのはP185の比較表。カネボウの役員会は昼食時、社費で5000円の鰻重つき。キャノンは毎朝8時から役員ミーティング。昼は社長も社員食堂。半分冗談と著者はいうが、なるほど社の雰囲気がよく伝わってくる。 もうひとつ面白かったのは「士農工商」の話。カネボウでは社員を「士農工商」になぞらえたそうだ。士は経営・管理スタッフ。農は工場労働者。工は技術者。商は営業。逆にキャノンは工農士+商だそうだ。これも含蓄が深い。 ただやはり著者はキャノンではなく、まだカネボウを愛しているのである。大げさに言えば人生のいちばんいい時期をカネボウと共に歩いた。そのカネボウへの、本書は、レクイエムとして捧げられたものであろう。 丁寧に書かれていて比較企業文化論としてもきちんと読めるが、著者のサラリーマン半生記として読むほうが感銘が深い。なかなかに良いい本であった。 概要:キヤノンとカネボウ、その対照的な企業文化を垣間見る 本文:本書はカネボウに23年、キヤノンに10年(現在も在職中)の両方の会社で働いた著者が内側から描いた両社の生の姿である。 事実上倒産し、産業再生機構の下で再建を余儀なくされたカネボウ。一方業績を伸ばし、次期経団連会長まで出す、いまや日本を代表するグローバル企業キヤノン。その差はどこから来たのか。私だけでなく、誰もが興味あるところだろう。 読者はどうしても現在の両社の状態を前提に読んでしまう。著者もカネボウ在職中の体験談の中で、折にふれ、「あそこでああしていたら」とか「立ち直ってほしいものだ」と述べている。また最後のところでこの点について、「両社の経営者の資質が明暗を分けた」と結論している。 けれども、本書はあくまで著者の、内部にいる人間としての体験談の数々から、読者が両社の企業風土の違いを推し量るというスタイルで書かれており、第三者の目で両社を比較分析・問題追求したビジネス書の類ではない。 “感性”で勝負する文系企業、カネボウ。“知性”による研究開発で発展してきた理系企業、キヤノン。まったく対照的な畑違いの両社での著者の仕事ぶり・エピソードの数々は、読み物としても面白かった。 たとえばカネボウ入社後、初めて配属された工場でのエピソードは高度成長期の繊維産業の一端を垣間見ることが出来るし、化粧品部門でのエピソードは、一世を風靡したあのカネボウ化粧品の舞台裏をのぞくことができる。キヤノンの技術者中心の、堅実で規律正しく、問題解決には一心不乱に徹底的に打ち込む社風も「なるほど」と思わせるものがある。 | |
| 著書名 | カネボウ凋落―「日本的経営」の終焉 | ![]() |
| 著者名 | 山川 猛 | |
| 出版社 | 文理閣 | |
| ASIN | 4892595152 | |
| 装丁 | 単行本 | |
| 価格 | ¥ 1,890 | |
| 感想文 | 概要:歴史に何も学ばない悲しさ 本文: カネボウは凋落したのでない。 経営者にしゃぶり尽くされたのである。 70年前にアメリカの経済学者バーリとミーンズが忠告した 「経営者は会社のために利益を生み出すよりも、会社を食い物にしたほうが、より私腹を肥やせるのである」 を地で行ったのがカネボウだ。 公私混同の権化といえる伊藤淳二を、いまなお誉めそやす著者の感性に呆れ果てた。 プライバシーに関わる問題なので書き辛い所もあったろうが、伊藤の家族とカネボウの丼勘定は避けて通るべきでない。 くわえて総会屋雑誌「経済界」をヨイショする不見識に目が点となる。 上場会社の総務部を戦慄させる、名うての【ゲラ買取請求雑誌】ではないか。 この人の史観は未だに「天皇と呼ばれて久しい会長の伊藤淳二」(166ページ)で停まっているのだろう。 あるいは住む世界の違う人種か。 タイトルに釣られて買って損をしたと不快になる本である。 | |
| 著書名 | 化粧品業界再編地図―資生堂VS花王・カネボウ | ![]() |
| 著者名 | 島野 清志 | |
| 出版社 | ぱる出版 | |
| ASIN | 4827203741 | |
| 装丁 | 単行本 | |
| 価格 | ¥ 1,470 | |
| 感想文 | 概要: 本文: | |
| 著書名 | 責任に時効なし―小説巨額粉飾 | ![]() |
| 著者名 | 嶋田 賢三郎 | |
| 出版社 | アートデイズ | |
| ASIN | 4861191203 | |
| 装丁 | 単行本 | |
| 価格 | ¥ 1,890 | |
| 感想文 | 概要:リアル! 本文:08/11/19の日経新聞の書評を参考に購入。 書評子の『ひさしぶりの五つ星』という書き出しにキャッチされる。 著者はカネボウの財務経理担当重役というから、実録小説であろう。 オールドジャパンを代表するカネボウの凋落から崩壊までが描かれている。 粉飾決算を繰り返す企業風土がいかに生まれたのか? 読者はそれぞれの答えをもつだろう。 ひびわれた名門企業をのりづけしつづける主人公、番匠。「営業の神様」といわれた兵藤社長とメインバンクからきた桜木副社長のコンビ。この二人のルサンチマンと保身がカネボウにとどめを刺した。天皇といわれカネボウに君臨し続けた西峰。番匠の理解者でありながら西峰にあらがうことのできない、伊志井副会長。メインバンクの住友頭取重宗は、カネボウをつぶす決断をする。粉飾された決算書にお墨付きを与えてしまう、監査法人中央青山の公認会計士たち。 崩れかけたカネボウにたかる企業。ファンド。 大小はあろうが、現在進行形の日本的企業風土の原型を見た。 ただ、私の知っているカネボウ関係者は、いまでもカネボウに在籍していたことを誇りに持っている。彼らの心の中のカネボウは、超名門企業なのだ。 概要:責任に時効なしー本当です。 本文:タイトルに興味があって購入してみました。最初は内容が難しいかなと思いましたが、読み進むうちになんとなく理解ができ(注釈とかあったからでしょうかね)、特に化粧品部門の買収時の章は本当に興味深かったです。小説ということですが、現実にあったことがかなり盛り込まれているのでしょう。読み終わった後、今の世の中について改めて考えてしましました。どんな人間にも「責任」はありますが、組織のトップに属すると言われている人達のその「責任」はその組織の生死を握っていることをこの小説は証明しています。理不尽な世の中ですが、その「責任」を持った時どう対処すべきか・・・・多くの人に、特に組織のトップに属する方に読んでもらいたい本でした。 概要:久々に感動しました 本文:実話と思い読んでいるので尚更物語に引込まれてしまいました。 もちろん、物語の部分もあるのですが知らないこともいっぱいあって まさに当事者でしか書くことの出来ない迫力です。 最近の経済小説で個人的なヒットがなかったのですがこの大作には 久しぶりに興奮させられっぱなしです。 本当に世の中って知らない怖いこともまだまだあるのだなと恐怖感まで 味わうことが出来ました。 早くも次回作に期待してしまいます。 久しぶりに自信を持ってお勧めすることの出来る良い本です。 文句なく5つ星です 概要:カネボウ事件前半を生々しく再現 本文:生々しい粉飾の現場のやり取りが再現されています。 会計学の知識があった方が良いですが、なくても十分に楽しめると思います。 番匠=島田常務、 兵頭=帆足隆社長 など、誰が誰のことなのかを推理(?)するのも楽しいですね。 責任に時効なし、とは、時効の壁に守られた、 歴代の経営者に対する言葉ですね。 帆足社長らは逮捕されましたが、本当に悪いのは誰なのか 考えさせられます。 この後は、再生機構が再生させたカネボウを、投資ファンドが安値で買収しようとして、 個人株主と激烈な戦いを繰り広げるという第二幕が待っています。 こちらはまだ係争中ですので、書籍になるのは先でしょうね。 概要:カネボウ事件はすごい事件だったんだ! 本文:主人公はトウボウ(カネボウの事でしょう。著者はカネボウの元常務です) の財務経理担当常務の番匠。粉飾の連鎖をとめるどころかよりひどいもの にしてゆく兵頭社長と銀行から送り込まれた桜木副社長のコンビ。粉飾の 影の共犯者である山手監査法人。メインバンク住倉五井銀行の思惑。ビジ ョンをまるで持たない役員と労働組合。企業の再生はまるで考えていない 日本企業再生機構。新らしい経営陣の浅はかさ。主人公と検察との闘い。 見えない黒幕。・・・・泥臭くもある人間模様が紡いだのは悲劇でもあり喜劇 でもある。 主な登場人物だけでも25人以上。トータル565ページの大作だけど、一日 で読んでしまった。カネボウ事件って、すごい事件だったんだ、というのが 読み終わっての感想。「責任に時効なし」というが、ホントに悪いやつは誰 か? 圧倒的な面白さだった。プロの作家でない新鮮な感じもいい。 | |
| 著書名 | 会計不正―会社の「常識」監査人の「論理」 | ![]() |
| 著者名 | 浜田 康 | |
| 出版社 | 日本経済新聞出版社 | |
| ASIN | 4532313945 | |
| 装丁 | 単行本 | |
| 価格 | ¥ 2,520 | |
| 感想文 | 概要:監査を考える際に、有用な一冊 本文:著者は、中央青山監査法人を経て、あずさ監査法人代表社員の浜口康氏。本書は、いわば会計不正と戦う監査人の立場から、会計不正の要因や背景を分析した上で、会計不正防止のための提言を行う一冊である。 内容は、大きく前半部分と後半部分に分けることができる。 前半部分では、なぜ、会計不正が行われるのか。なぜ、監査人は不正を見抜けないのか。こうした会計不正・監査不全といった問題に対して、会計不正の具体例や監査の知識を交えながら体系的に論じる。 一方、後半部分では、どうすれば不正を許せないシステムを構築できるのか。監査人は会計不正にどう対応すべきか。こうした問題に対して、事例や指針にそって提言を行う。長年の経験から紡ぎだされた提案は、きわめて重要な示唆を与える。 公認会計士の方々はもちろんのこと、その業務に関心のある方々まで、内部統制時代における監査のあり方を考える上で有用な一冊である。 概要:監査人の論理がよく分かり、明晰な論述で読み応えがある 本文:中央青山監査法人の解体に至る渦中に居て同僚の逮捕を間近で経験された著者が、会計不正に正面から取り組み、原因分析と対策をきっちりと論述されており説得力がある。 カネボウ事件を含む著名な会計不正事例4例が簡潔に分析されている。「会社のために」の言に潜む会社人間の「非常識」と会社が社会的責任を果たすために必要な「常識」が明瞭に分析・論述されており有益だった。監査人に接する機会があまりない人には、「会計監査」の全プロセスの説明が理解に役立ち、監査人がどのような「論理」で監査に臨むかもよく解る。 不正・誤謬の防止・発見を阻害する要因が列挙されている。監査基準の動向とIT統制の進化により監査のあり方が今後大きく変化していくことを予感させる。会計不正における監査人側の問題点が真摯に語られ、現行法や監査基準のもとで監査人が何に悩み、何に限界を感じているかも理解できる。現行の監査法人の持つ落とし穴も率直に言及されていて、好感を抱いた。 不正を許さないシステムへの著者の対策提言には、関係諸機関が積極的に耳を傾け、速やかに検討し導入して欲しい。(現状では、ちょっと悲観的...) 監査人自身の対策は、現場・現物でクライアントのビジネスを理解すること、論理的に思考し行動すること、という基本への回帰提言である。会社側も本業・創業理念への原点回帰、社会的責任の実践が必要なのではと本書から思った次第だ。 何よりも監査人は「良い監査は良い財務体質を作り、良い財務体質は強い企業体質を作る」という信念をもって監査を行うべきです。−−−この巻末の一文はずしりと重い。 概要:日本の組織の「閉鎖性」セクショナリズムについて 本文: カネボウ事件や他の不正事件に関連した書籍は多数出版されているが、浜田氏によるこの書籍は、その問題提議の論点の明快さと財務会計の専門家以外にもわかりやすく会計監査の具体的手順を説明している点で、広く学生から社会人までが日本(の企業)で起きている問題点を今一度考えるために一読すべき書籍であると思う。 同氏が第2章「経営者はなぜ会計不正をするのか」で指摘している企業や組織の「閉鎖性」や「集団愚考」は、決して新しい指摘ではない。しかし、この組織の閉鎖性、セクショナリズムが監査法人内にも存在することが、監査人が会計不正を見逃す理由のひとつであるという指摘により、さらに身近な地域社会、職場、学校と、セクショナリズムによる歪みが日本のいたるところで蔓延している事実を改めて思い知ることとなった。 仲良しグループは居心地が良い。しかしその(表面的な)仲良しを維持するには、我慢や「見て見ぬふり」も必要である。私たちは、監査人でないにしても、過度の居心地の良さを求めることなく時には孤独に耐える覚悟も必要であることを実感する読後であった。 概要:監査の現場から会計監査とは何かを徹底的に考察 本文:本書は、単に会計不正の事例を紹介するものではない。また、教科書な監査理論を説明するものでもない。浜田氏の監査人としての経験や様々な事例から、帰納的に会計監査のあり方を理論化しようと真剣に試みたものである。従って、浜田氏の独自の理論や解釈が多く含まれる。 私自身「会計監査とは何か」について自分なりに考えてきたつもりだが、この本を読んでハッと思った。何故なら、私が自分なりに持っている価値観は、浜田氏とほぼ同一のものであったからである。それはやみくもに監査報酬の増額を志向するような監査人とは異なる価値観であり、会計不正を絶対に許さないという監査人の「のれん」が監査報酬を生み出しているという前提に立つ価値観である。 第1章のカネボウ事件等の各会計不正事件の分析は極めて理論的。第5章「監査人はなぜ会計不正を見逃すのか」は、現場を知る者からすると生々しいほど冷静的確である。監査論の教科書には書かれていない「生きた監査論」がここにある。会計監査に従事する公認会計士ないしはそれを志す方、関心がある方に強くお薦めしたい書である。 一つだけ批判を書かせていただく。浜田氏が中央青山の代表社員であったのは事実である。粉飾を起こした会社に関与していなければ責任がないというわけでもなかろう。本書の内容が素晴らしいだけに、その点についての反省がないことは残念である。 | |
| 著書名 | 粉飾の論理 | ![]() |
| 著者名 | 高橋 篤史 | |
| 出版社 | 東洋経済新報社 | |
| ASIN | 4492394680 | |
| 装丁 | 単行本 | |
| 価格 | ¥ 1,890 | |
| 感想文 | 概要:望外のおもしろさ 本文:ライブドア、カネボウ、メディア・リンクス、丸石自転車、駿河屋・・・ここ数年で発覚した上場企業での粉飾、または会計スキャンダルを取り上げ、ドキュメンタリタッチで描いていく。 企業の粉飾事件は後を絶たないが、新聞・テレビのマスコミ報道は事件の全貌どころかその一部分しか報告していないことが本書を読み十分理解できる。検察・警察の捜査により逮捕者が出る部分というのは、事件の最終局面でしかなく、粉飾行為自体は少なくとも数年以上の長期にわたる行為であり、個人や逮捕者だけではなくもっと大勢の人々の(もちろん犯罪行為かどうかに関わらず)関わりの中で行われる行為であるのだ。当然、それだけの人々が関わる行為である以上、そこには人間ドラマが生まれる・・・。それはもう作り物の小説なんかではとうてい太刀打ちできないおもしろさなのだ。「事実は小説より奇なり」とは使い古された言い回しだが、本書はまさに実感させてくれる。 自社株発行額を巧妙な手段により利益に見せたライブドア事件は監査法人との関係を中心に描かれる。創業百年を超える老舗企業カネボウは、つもりつもった粉飾額を隠しきれなくなり、ついには破綻する(ここに至る人間模様の凄さは決してマスコミ報道ではわからない)。 新興IT企業のメディア・リンクスの事件は日本経済の暗部を垣間見せてくれる。大手IT企業も巻き込む大がかりな循環取引に手を染め、虚飾の業績を発表し続けるが、資金繰りに窮し始めると、増資・債券発行といった市場取引を駆使して資金の取り込みを始める。ブローカー、コンサルタント・・怪しげな人々が次から次へと現れ、上場企業を食い荒らしていく様は想像を絶する(海千山千とはよく言ったもので、破綻の最終局面ではよくぞここまでと言うほどの怪しげな人々が入れ替わり立ち替わり現れたことがわかる・・)。 恐ろしいのはこの事件で登場する怪しげな人々が、続いて描かれる丸石自転車、駿河屋といった同様の事件でも登場し、暗躍していた事実だ。 高村薫の「レディジョーカー」は、表経済の直下に潜んだ裏社会を描いた傑作だが、本書で現実にそうした社会が存在し、法律すれすれの部分で活動しているという事実は衝撃的だ。 そしてそうした事件は何も一般人とは関係がないような遠い世界の話ではなく、個人による株式投資がブームの中、自分たちのすぐそばまで来ているということに暗然とする 概要:経済誌の記者による、近年の経済事件のわかりやすいまとめ 本文:本書は、主に近年新聞を騒がせたカネボウ・メディアリンクスの粉飾決算事件、旧CTCの 架空取引を取り上げたものです。会計を専門としていない人でも、当時株式投資をして いたり、事業再生に興味があった、あるいは同じ業界にいた人は、事件があったことを 鮮明に覚えていることと思いますが、本書はその事件の人間関係を中心に、時系列を整理 して事件を追っていきます。読み終わると、単発的な新聞報道ではよくわからなかった 事件の構造が明快に理解できます。 若干の難点といえば、本書は若干ドキュメンタリー風で、かつ人間関係が絡み合っている ところがあります。特にメディアリンクスの案件は「一連の闇社会の暗躍の一つ」として 取り扱っていることから、関係者が過去起こした他案件と絡めて紹介されたりして、話が 錯綜していますが、その部分については特に理解しなくても問題ないでしょう。 本書では、サラリーマンの事なかれ主義、役員の地位が上がることによる傲慢さ、創業者 の金銭欲や焦り、無知が事件を進行させていく(=決して偶然一過性で事件が起きたわけ ではない)という視点で事件が描かれています。切り口の妥当性は当事者しか分かりま せんが、このような視点から本書を読むのに特別な専門知識は必要なく、経済誌の記者 らしく、よくまとまっているように感じました。 概要:粉飾−提示された課題 本文: さて、何とか「粉飾の論理」高橋篤史 著 東洋経済新報社刊 を読み終えた。 ここは、実名を出せばキリが無く要約だけ語りたい。 1 伝統的粉飾 ・不良在庫飛ばし、またはキャッチボ−ル。 ・非連結対象会社への損失移転。 ・監査法人との長期的馴れ合い。 ・役職員の企業への誤った忠誠心。 2 IT企業の粉飾 ・無形商品(システム一式、メンテなど)の循環取引による架空計上。 ・MSCB・第三 者割り当て等の増資濫用。 ・甘い監査法人への乗り換えを繰り返す。 ・粉飾を継続した ままの新規上場の認可。 ・上場後に反社会的勢力に喰い物にされる。 排除すべき課題としては ・架空循環取引を受ける大手企業子会社の存在。(利益中抜き) ・些細な動機から、雪だるま式の損失への拡大前での早期発見。 ・監査法人のクライアント対応−共犯へ誘導され 深みにはまる。 ・特殊法人民営化に伴う、監査法人の拡大志向・営業強化。 まとまったかどうか・・・・御批評を願いたい。 概要:カネボウとライブドア 本文:ライブドアや村上ファンドの陰に隠れた感のあるカネボウの粉飾の実態は、新聞や雑誌だけでは一貫性をもってとらえられなかったが、この本により、全体像が俯瞰できた。 終章の「カネボウ事件の関係者は誰もが平凡なサラリーマンにすぎなかった。」というところで、大きく嘆息してしまった。 カネボウの手口は、古典的といえるもので、目新しいものではない。よくあんなに長い間もったものである。とりたてて豪奢な見返りがあるわけでもないのに、この苦闘は、知れば知るほど、日本の会社のこの手の話と、アメリカのそれの懸隔に愕然とする。アメリカの会社が優れているということではなく、なぜか、悲惨さの色調が少ないのだ。 | |
| 著書名 | 資生堂対カネボウ―トップと二位の市場戦略 (1980年) | ![]() |
| 著者名 | 田中 利見 | |
| 出版社 | 評言社 | |
| ASIN | B000J8APF8 | |
| 装丁 | - | |
| 価格 | ¥ 1,029 | |
| 感想文 | 概要: 本文: | |
| 著書名 | EXCITING SUMMER―’86カネボウ水着ギャル広田恵子写真集 | ![]() |
| 著者名 | ||
| 出版社 | 近代映画社 | |
| ASIN | 4764813408 | |
| 装丁 | 大型本 | |
| 価格 | ¥ 1,890 | |
| 感想文 | 概要: 本文: | |
| 著書名 | 鐘紡コレクション (1) | ![]() |
| 著者名 | ||
| 出版社 | 毎日新聞社 | |
| ASIN | 4620802212 | |
| 装丁 | 大型本 | |
| 価格 | ¥ 21,000 | |
| 感想文 | 概要: 本文: | |
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