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著書名 カラマーゾフの兄弟 第3巻 (3) (岩波文庫 赤 615-1)
著者名ドストエーフスキイ
出版社 岩波書店
ASIN 4003261518
装丁 文庫
価格 ¥ 630
感想文概要:
本文:

著書名 カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)
著者名ドストエフスキー
出版社 光文社
ASIN 4334751237
装丁 文庫
価格 ¥ 880
感想文概要:ついに佳境へ。巻末の読書ガイドはとてもありがたい。
本文: ついに、この第三巻で父親フョードル殺しが出てくる。章立ては「アリョーシャ」「ミーシャ」「予審」となっているが、予審の章はミーシャが主役だから、この第三巻は殆どミーシャを中心とした話であると言ってよいだろう。
 グルーシェニカの愛を確信できた途端に、父親殺しの疑いをかけられたミーシャ。金銭については性格破綻者と言ってよい彼の行動・発言はなぜか心に響く。憎めないキャラクターである。

 話は変わるが、当時のロシアの風俗や習慣のわからない読者にとって、大きな助けとなるのが巻末の読書ガイドである。翻訳の現代語化もさることながら、これまでの翻訳と大きく異なるのはこの点かもしれない。訳者が読者にずっと寄り添って、この長編の読破を助けてくれる。

概要:大審問官を現代日本で読み解くメモ【つづき】“一つの罪に対して、罰は二種類ある”
本文:つまり地上の罰(社会的罰)と、天上の罰(内面への罰)だ。ゾシマは、神のみが“良心の呵責”を認識でき、科学では無理という。例えば光市母子殺害事件
後、犯人の手紙が、証拠として公開された。

「選ばれし人間は…私を裁けるものはこの世におらず」
これら供述は『罪と罰』『ドラえもん』の丸写しだが、夢は小説家らしい。
一方で精神医学では、良心が欠落した異常者“サイコパス”の存在を唱える。どちらが正しいのか、科学は、人の内面をも暴けるのか?

■大審問官は居直る『自由は、三次元の人間にとって荷が重すぎる』
民衆の「闘争・貧困」解決策は、取引しかないと。たしかに我々は、『バックトゥザフューチャー』の様に四次元的に行動できない。日本は今、スピリチュアルブームだが、占い師が、詐欺師かどうかも神秘だ。
自由を苦痛に感じる弱者は、現代日本にも確実に存在する。例えば刑務所を出所した老人が、わざと万引きをくり返し、囚人に戻りたがるというニュースを聞く。

■「不死がなければ善もない」《一巻182p》
コレは、魂の不滅がないなら因果応報が機能しない、ことか。
つまり現世で無実の青年力士が、(ビール瓶で撲殺される様ないわれなき現世の罰が)来世で報われないならば、善悪は無意味だ。
司法の補償も怪しいものだ。時津風部屋で07年6月26日に撲殺がおき、立件されたのは約3ヵ月後。それもそのはず警察は、診断書を書換え妥当な検視も怠った。「耳は裂けアザ・火傷だらけの死体」は「心不全」と診断された。我々が欲する「くもりなきメガネ」は、科学がもたらすのか?それとも、神が与えた自由には、善悪の審判は含まれないのか?

戦後日本は国民宗教を失った。法律を補完する社会規範を失った以上、地上の罰に頼らざるを得ない。それが現代日本の現状だ。ゾシマが誇る様な“教会”を持たない日本における死刑制度は…

概要:あかん、やっぱりおもんない。退屈。
本文: 高校時代の同級生が昔、「『カラマーゾフ』なんか、最後の方は早く続きが読みたくて仕方なくなった」と言ってたし、ある女流作家(金城ひとみだったかな?)も、「1〜2巻は数ヶ月、3巻以降は数日で読めた」みたいなことを書いていたもんだから、1〜2巻で相当退屈したにも関わらず、半ば意地で、でも少し期待しながら、3巻も数ヶ月かけ、とぎれとぎれでやっと読了した。

 正直な感想=愛読者の皆さん、『カラマーゾフ』ってどこがそんなにいいの?
 
 ミーチャの大時代的で、芝居じみた長ったらしい台詞なんてシラケッパナシ。単に女と酒に溺れやすい激情型人間にしか見えない。父親殺しというモチーフも現代の日本では極々日常的に報道されているし、別に新鮮味もないしなあ。3巻ではアリョーシャやイワンは全く登場せず、ミーチャの一人舞台だが、私にとってはあまり興味深いキャラではない。カラマーゾフも『罪と罰』位の長さ(文庫2巻)で、丁度良い話ではなかろうか。どう考えても、物語としてはダラダラし過ぎた失敗作だと思う。

 4〜5巻どうしようかなあ。こうなりゃ、意地でも読むしかないか。

概要:ミーチャ
本文: ミーチャと予審判事、検事とのモークロエ(取り調べ場所)でのやり取りが面白かった。ミーチャの「恥辱」について検事たちが理解できなかったのはやむを得ないだろう。ミーチャはグリゴーリーに対しては半殺しにしたにも関わらず、そのことは父殺しの事に比べて対して関心を持っていない。罪の意識も持っていないと思う。

 召使であったとしても一人の人間であるので(しかも自分の命の恩人でもある)、もっと殴ったことに対して罪の意識を持つべきだと思った。助かったからそれでよかった、という問題ではないと思う。

概要:読んでいると知らない間に随分進んでしまう
本文:じっくりと腰を据えて本を読む機会がなく、
とぎれとぎれとなりましたが、第3巻を読み終えました。
この新訳では、読み始めるとグッとのめり込んでしまい、
時間が経つのも忘れてしまうので、途中で意識して時間を見なければいけません。
以前違う文庫シリーズで読んだときは、なかなか進まないなぁと思ったものでしたが、
それとは全然違うワクワクとした気分です。

第2巻は、大審問官やロシアの修道士などの有名な箇所があって、
それなりに力を入れて読みましたが、
この第3巻は長男ドミートリーとその取り巻きの人間関係が描かれていて、
大きな事件もあったりして、本当に面白く読むことができました。
新しい訳で、ドミートリーが等身大の人間に見えてきますし、
ドミートリーの人間性も理解しやすい気がします。
面白いのは、前の2巻であれだけ大切に扱われてきた他家族3人が、
まるでドミートリーの話しの小道具のようで、
この小説におけるドミートリーの重要性がしみじみ感じられる巻だと思います。

本編は残るもう1巻。楽しみに読ませてもらいます。

著書名 カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫) (光文社古典新訳文庫)
著者名ドストエフスキー
出版社 光文社
ASIN 4334751334
装丁 文庫
価格 ¥ 660
感想文概要:お互いのことを忘れないと誓いましょう
本文:大長編のエピローグ、わずか60ページほどだが、高揚感にあふれ、ポジティブな力がわいてくるようなエンディングで大満足。ここまで読んでよかったという充実感に満たされた。その後のドストエフスキーの生涯についての記述も興味深く読んだ。ただ、約半分を占める解題は興味深いが、また別の作品として出版されてもよかったのではないか。小説は小説でかたまりとして完結したほうが、続いて読んでしまって、読後の感激に理性の分析が入ってちょっともったいないかもしれない。

概要:スピード感あり!
本文:読破しました!と言う言葉がぴったりの小説です。
とは言うものの、2ヶ月程で全5巻を読み終えました。そう言う意味ではかなり読みやすかったんだと思います。もっと苦労する覚悟でしたが、その反面新訳なのだから読みやすくなっているはず、という期待もありました。確かにある程度古い表現や、口語では少し違和感を感じるような表現もありましたが、結果的にはそんなことは気にならないほど、どんどん読み進むことが出来ました。それはもともとドストエフスキーの文体の力なのか、訳者である亀山氏の工夫なのかな分かりませんが・・・。
私はロシアの古典文学を読んだことが無かったので、何の先入観も予備知識もない状態でした。宗教的なことや、当時のロシアの状態など、分からないことだらけでしたが、各巻の最後にそれぞれ解説が付いていて、それを読むことによって本文では理解できていなかった事も更に理解することができ、そういった工夫も大変ありがたかったです。
ですので初心者にはかなりお勧めです!

内容的にもかなり興味深く、どこまで掘り下げて考えるかは読者次第と言えるでしょう。そう言う点でもあらゆる人が楽しめると思います。
また数年先に読み返すと、現在の自分では感じ取れなかった事に気づくのかな、などと思いを巡らせたりしています。


概要:古典は、解説を読まずして理解は深まらない
本文: 最終巻は、冒頭にエピローグの章があるものの、殆どが著者による解説である。本作に対する理解を深めるため、まずはドストエフスキーの生涯を説明し、本作の解説へと移っている。
 これまで本作の解説というと、表面のストーリーとその背後に流れる神の存在を巡るテーマについて論じられてきたが、著者はそれだけではないだろうと主張している。それは自伝の要素である。
 著者は「自伝の締めくくりとして、カラマーゾフの兄弟全体を構想していたといっても過言ではない」と述べている。
 私は、この解説を読んで、改めて本作品の構成力に圧倒された次第である。
 19世紀の作品とはいえ、今は昔、現在の知識では理解できない時代背景や当時の常識が散りばめられている。ましてや外国の作品であればなおさらである。自分で一字一句理解しようと無理をせず、水先案内人に従って読書を楽しむのも悪くない。



概要:本文は解説の5分の1しかない!
本文: ま、「エピローグ」という言葉からも予想される通り、この第5巻での『カラ兄』本文の残りはごく僅か、366ページ中なんと63ページまでしかない。残りの部分は訳者による「ドストエフスキーの生涯」「年譜」「解題」「あとがき」である。つまり本文は解説の5分の1しかない、ってこと。
 訳者の意向により、このエピローグだけで一分冊にしたかったらしいけど、営業的にはどうなんでしょ?なんか、訳者が自分のカラ兄解説書まで買わせる「抱き合わせ商法」にも感じられる。

 で、本編「エピローグ」ですが、やはり大幅なストーリーの展開は無く、最後のアリョーシャの子供たちに対する歯の浮くような「お説教」の後、唐突な「カラマーゾフ万歳!」って、どうよ?冤罪で流刑になっちゃったミーチャはどうなんのよ?脱走計画は?まだ、全然話終わってないでしょうってば!
 ま、元々作者前書きの部分で本作は物語の前半部、つまり続きがありますよ〜、って断ってんだから仕方ないかも知れないが、じゃ世間はもっと「カラ兄は未完の作」って事を周知徹底して欲しいよ。

 「ドストエフスキーの生涯」は読みやすい文章で分りやすかった。「解題」の方は思い入れたっぷりに書いているのは分るが、ここまでやると贔屓の引き倒しでしょう、って気がしてきた。むしろこれだけ歴史的、伝記的、文化的考証が必要な原作はもはや現代の一般読者が読むにはそぐわないとの感を強くした。

 全巻通読後の最終結論=ドストエフスキー代表作は『罪と罰』で決まり、『カラ兄』通読必要無し!

概要:約300ページもの解説、理解を深めるよすがとなる
本文:5巻まで読み終えるのに優に3ヶ月を要した。人間の善悪の本質、キリスト教と無神教、高貴な心と醜悪な感情、重層に繰り広げられる壮大なドラマである。150年経っても、人間の本質はさほど変わらないということを思い返された。

→気に入った表現をいくつか
子供時代の、両親といっしょに暮らした時代の思い出ほど、その後の一生にとって大切で、力強くて、健全で、有益なものはない

どうか人生を恐れないで!なにか良いことや正しいことをしたとき、人生って本当に素晴らしいって、思えるんです!

新約聖書と旧約聖書、とくにドストエフスキーに強い興味を覚えさせたのは、神のむごたらしい試練を受け、信仰を失わないヨブの話

極端に内気で人付き合いの苦手な若いころのドストエフスキー

政治犯容疑のドストエフスキーは、4年間、シベリアの流刑地で人生の奈落を経験

罪と罰 世界文学史上に燦然たる光を放つ小説 農奴解放後のロシア社会を襲った混乱

ロシアが国家としての推進力を失い、崩壊の道を辿りつつあるという、ナショナリストとしての漠とした絶望感

著書名 『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する (光文社新書)
著者名亀山 郁夫
出版社 光文社
ASIN 4334034209
装丁 新書
価格 ¥ 819
感想文概要:ずるいけど面白い
本文:それにしてもよくこんな本を出しましたね。ターゲット狭すぎでしょ。「カラマーゾフの兄弟」そのものですら読んでる人はそんなに多くないのに、そのニッチを狙って新書を出すとは。。

ちなみになぜこんなマニアックな本がこのタイミングで出たかというと、本書の著者である亀山さんが最近「カラマーゾフの兄弟」の新訳版を出して、ちょっとした「カラマーゾフの兄弟」ブームになったからです。亀山さん訳の「カラマーゾフの兄弟」を読んだ人が、まんまとこちらの新書も買わされるという(僕もそうなんですが)一種の抱き合わせ商法になっているのです。しかも内容は本家の最終巻に載せてある「解題」を膨らませただけという、なんとも手抜きな感じの新書になってます。はっきり言って、これはずるい。

でも困ったことに、この新書けっこう面白いんですよね。「カラマーゾフの兄弟」は作品そのものよりも「続編」を想像・空想・妄想する方が断然楽しいというのが定説なわけですが、それを翻訳者がやっちゃってるわけで、これは当然興味深いし面白い。また普通は「カラマーゾフの兄弟」を読み終わっても、こういう「空想」を語り合える友人が近くにいることはなかなかないわけで、本書は空想を共有する楽しみもちゃっかり備えていると言えます。翻訳者がこんな本を出しちゃうこと自体、やっぱりこれもずるい。

なんかねー、とにかくずるいよね。だって最近「カラマーゾフの兄弟」を読んだ人は、この新書も読まざるを得ないんだもん。悔しいけど、オススメ本なのです。特に亀山訳で「カラマーゾフの兄弟」を読んだ人は、必ずこちらも一緒に読んでみてください。「カラマーゾフの兄弟」の魅力が一気に数倍に膨れあがること間違いなし、なので。

概要:正に「余熱」の書
本文:・・たった今、本書を読み終えたところです。
既にタイトルにもあるようにこの本は、「・・空想する」という立場にたって書かれた書であり、読者はそれを予め踏まえた上で読むべきものであると思います。
著者は、ドストエフスキーの大名作「カラマーゾフの兄弟」を新訳する快挙を成し遂げた後に、どうにも書かずにはいられない内的衝動、否使命ともいうべき意思で、本書を謂わば「空想」した・・それは常人には、計り知れない程のプレッシャーが有ったことでしょう・・
推考に推考を重ねながらも逡巡し逸脱しそうになりながら執念で書かれたのが、この本ではないかと思います。
著者の姿勢には、常に極めて謙虚でありながらも飛躍する勇気(冒険)も含まれてあり、その論考には読者を惹きつけて離さない切迫したものがあります。
ぼくは、新書でこれだけの「内容」の濃い「密度」の高い本を嘗てこれより他にみたことがありません(極めてCPが高いと思います)。
既に「カラマーゾフの兄弟」(未完の書)を読了した読者には、正に待望の、また「余熱」冷め遣らぬ書と言えるのではないでしょうか・・
大名作「カラマーゾフの兄弟」続編に挑戦した著者の惜しみない「情熱」に拍手を捧げたい・・そう素直に思えます。

概要:がっかりでした
本文:タイトルから、非常に魅力的に感じて買いました。
とてもがっかりしました。
空想というより、妄想という感じでした。
興味の無い個人哲学を延々読まされた気分です。
カラマーゾフの兄弟を好きな人でも
本書を買うときはよく考えたほうがいいと思います。

概要:素直に受け止められる作品
本文:「続編を空想する」と言うタイトルですが、何となく「推理する」と書き換えたいような感じでした。そのくらい「推理小説」感覚で一気に読みきることが出来ました。

宗教問題、そこからくる性の問題、そしてオイディップス・コンプレックスとしての「父殺し」、その延長線上にある「第二の父殺し=皇帝暗殺」と、様々な視点で描かれているのですが、それに戸惑うことはありません。
そこには、作者が言う「象徴層」「自伝層」「物語層」というはっきりした視点を用意されているからだと思います。そうした作者の論理性の素晴らしさが、誰が読んでも素直に受け止められる作品にしているのだと思います。

とにかく、この本を読むと『カラマーゾフの兄弟』の続編は、これしかないと思ってしまいます。
改めて、『カラマーゾフの兄弟』を読み直さねば・・・。

概要:「幻の作品」が見えてくる!
本文: 「カラマーゾフの兄弟」の新訳を手がけたドストエフスキー研究の第一人者が、〈幻の続編〉を空想するという知的ロマンの書だ。大まかな構想だけ示された続編については「三男アリョーシャの皇帝暗殺物語」との見方が支配的だが、本書では想像力あふれる斬新なプロットを提示しているのが注目される。

 著者はオリジナル作品の暗示的な「序文」や、続編への伏線とみられる謎めいたディテールをはじめ、作者の残したメモ類、同時代人の証言など、客観的データを多角的に検証。想像の翼を広げ、続編の輪郭や骨格をイメージしていく。そのまるでジクソーパズルを1枚ずつはめ込んでゆくみたいな丹念な作業を経て構築したのが、以下のようなダイナミックでスリリングなストーリーだ。

 ……本編の舞台から13年後、1879年のロシア。キリスト教布教者アリョーシャはモスクワの大学を卒業し、村の学校で教えるかたわら、新しい信仰を広めてゆく。一方、少年時代から彼と交流があるコーリャ・クラソートキンらの〈弟子〉たちは成人し、コーリャが中心となり革命組織を結成、列車爆破による皇帝暗殺計画を練る。そして、組織は皇帝暗殺後のリーダーにアリョーシャを据えようと決議。コーリャはアリョーシャに就任の要請をするが、ふたりはテロルか融和かをめぐり対立。その後、暗殺計画が漏れ、テロ決行前日、コーリャは逮捕される……。

 ざっとこんなプロットだが、著者は様々な根拠を挙げ、従来のアリョーシャ=皇帝暗殺者説を否定。事件の首謀者をコーリャとし、アリョーシャは間接的な関与にとどまるとの創見を示す。その背景に設定した1879年というのはドストエフスキー死去の2年前、国内で政府要人に対するテロルの嵐が吹き荒れた年である。

 全体の構成は本編同様、「4部+エピローグ」形式を想定、各部各編の展開もラフスケッチ。さらに、本編を彩る登場人物、カラマーゾフの長男ドミートリー、次男イワンをはじめ、カテリーナら女性陣のその後の足取りを描いているのも興味深い。

 このほか、壮大な物語に採用されたであろう、ロシア正教異端派の「性と信仰」のモチーフを幅広い観点から論考するなど、全体として著者の学識とイマジネーションが発揮され、ライトな新書らしからぬ読み応えがある。
 
……空想、仮説とはいえ、おぼろげに見えてきた「幻の作品」。もし、世に出ていたなら……。


著書名 新訳『カラマーゾフの兄弟』を読む―「父殺し」の深層 (NHKシリーズ NHKカルチャーアワー・文学の世界)
著者名亀山 郁夫
出版社 日本放送出版協会
ASIN 414910672X
装丁 単行本
価格 ¥ 893
感想文概要:
本文:

著書名 カラマーゾフの兄弟〈第2巻〉 (岩波文庫)
著者名ドストエーフスキイ
出版社 岩波書店
ASIN 400326150X
装丁 文庫
価格 ¥ 735
感想文概要:
本文:

著書名 カラマーゾフの兄弟〈第1巻〉 (岩波文庫)
著者名ドストエーフスキイ
出版社 岩波書店
ASIN 4003261496
装丁 文庫
価格 ¥ 693
感想文概要:活字だけはなんとかならないか
本文:光文社文庫の新訳や新潮文庫の改版で『カラマーゾフ』が売れている昨今、岩波文庫はこのままでいいのか。読み比べでアピールするチャンスなのにあの活字では・・・。今年から始まった「岩波文庫の改版重版」は、真っ先にこの作品を扱うべきではなかったか。それとも『戦争と平和』のように新訳が出るまでこのままで通すのか。

概要:世界最高峰の文学
本文:ドストエフスキーの代表作にして世界最高峰の文学。ドストエフスキーの構想では、次作以降で「アリョーシャを神にする」超大河小説の第一部として書かれたものだが、本作だけでその充実した内容に圧倒される。

物語は"神の子"アリーョシャの精神的成長を底流に、私生児スメルジャコフの父親殺しを表向きのテーマにして進む。だが、そこには様々な仕掛け・謎かけが用意されている。"去勢派"のキリスト、スメルジャコフの父親殺しが殉教行為であった事。そのスメルジャコフの自殺との対比で、アリョーシャが真のキリストである事を示唆する工夫。放蕩息子ドミートリイが最後で見せるキリスト教的寛容精神の謎。スヴィドロガイロフ風超人的無神論者のイワンが最後でスメルジャコフに精神的に屈服する様を、当時のロシア民衆の勢力台頭の反映として描く手法。そして、それらの重層的構造を締め括る形で、最後にアリョーシャが12人の少年使徒の前で演説する場を設け、彼らが新しいキリスト教団を設立する事を示唆するラスト。勿論、この中から将来のユダが出る予定だったのであろう。アリョーシャは皇帝暗殺者に模されていたらしい。熱心なロシア正教の信者だったドストエフスキーが、アリョーシャの師ゾシマ長老を敢えてカトリックにし、その死に際して腐臭を放った様子を書いたのも、旧来のカトリックを乗り越え、アリョーシャが新しいキリストになる事の強調だった(ドストエフスキーはカトリック嫌いだった)。

これら、人間と宗教に係るあらゆる問題を圧倒的な心理描写で綴っているのだから、その迫力と深遠さは人智を超えていると言っても過言ではない。これまでの文学が持ち得た世界最高峰の作品。

概要:「教養の崩壊」について
本文: どの本に書いてあったか忘れてしまったが(たぶん内田樹だと思う)東大の大学院でミハイル・バフチンのドフトエフスキー論の講義をしているときに、ひとりの大学院生が突然こう質問したという。
 「先生、ドストエフスキーって誰ですか?」
 この逸話を受けて著者は「ついに来るべき日が来たか」という感想を漏らしているのだが、この感想が「信じられない」ではなく、「ついに来てしまった」というところに、現代日本の憂慮すべき問題がある。
 つまり、教養が崩壊する、ということで、「最近の若い者はモノを知らない」というオジサン的観点から苦言を呈しているのではない。それによって、もはや自らと価値観の異なるひとびとへの理解の根が断ち切られつつある現状に警鐘を鳴らしたいのである。つまり、「教養」とは、対話のための最低限の共通の知識である。

 この作品については特に言を費やすまでもあるまい。ここでは次の二点のみに触れたいと思う。一点は、米川氏の訳について。戦前の翻訳であるにも拘らず、二十一世紀のこんにちにおいても味読に耐えるものである。若干みなれない表現にでくわすかもしれないが、特にわたくしは気にはならなかった(例えば「闡明」など)。もう一点は、ドストエフスキーの作品群全体についてである。この作家は死ぬまで成長を続けた作家のひとりであり、小説としては後期の作品になればなるほど面白い。よって、この最晩年の作品が、もっとも優れていると思うし、また初めて彼の作品に触れる方にとっても、第一に手にするべき作品だと思われる。長編であるが、途中で飽きたり投げ出すことはなかろうと思う。


概要:「教養」を考える
本文: どの本に書いてあったか忘れてしまったが(たぶん内田樹だと思う)東大の大学院でミハイル・バフチンのドフトエフスキー論の講義をしているときに、ひとりの大学院生が突然こう質問したという。
 「先生、ドストエフスキーって誰ですか?」
 この逸話を受けて著者は「ついに来るべき日が来たか」という感想を漏らしているのだが、この感想が「信じられない」ではなく、「ついに来てしまった」というところに、現代日本の憂慮すべき問題がある。
 つまり、教養が崩壊する、ということで、「最近の若い者はモノを知らない」というオジサン的観点から苦言を呈しているのではない。それによって、もはや自らと価値観の異なるひとびとへの理解の根が断ち切られつつある現状に警鐘を鳴らしたいのである。つまり、「教養」とは、対話のための最低限の共通の知識である。
 この作品については特に言を費やすまでもあるまい。ここでは次の二点のみに触れたいと思う。一点は、米川氏の訳について。戦前の翻訳であるにも拘らず、二十一世紀のこんにちにおいても味読に耐えるものである。若干みなれない表現にでくわすかもしれないが、特にわたくしは気にはならなかった(例えば「闡明」など)。もう一点は、ドストエフスキーの作品群全体についてである。この作家は死ぬまで成長を続けた作家のひとりであり、小説としては後期の作品になればなるほど面白い。よって、この最晩年の作品が、もっとも優れていると思うし、また初めて彼の作品に触れる方にとっても、第一に手にするべき作品だと思われる。長編であるが、途中で飽きたり投げ出すことはなかろうと思う。

概要:人の本性は悪なのか?
本文:ロシアの文豪ドストエフスキー往年の名作。1879年作。父フョードルのもとに帰省した三兄弟。激情家の長男ドミートリイ、聡明で無神論者の次男イヴァン、敬虔で誠実な聖職者の三男アリョーシャを中心にした物語。愛憎に絡む父親殺しという事件の顛末が物語の中心になっている。

「神」(現代風に解釈すれば「善」あるいは「宇宙の摂理」といえばいいだろうか)、という永遠のテーマをめぐる作者の深い深い思想が底流に流れている。脳たりんのワタクシめには、著者の伝えたかったこと全てを受け止めることはとうていできなかったけれど、物語のところどころで、ため息が出たし、本を閉じてしばらく考え込まされてしまった。特に「大審問官」や悪魔と対話する場面での、イヴァンが苦悩する部分にはうならされちゃう。いろんなとこでいろんな種類の感動が味わえる、読みごたえのある作品。


著書名 カラマーゾフの兄弟―まんがで読破 (まんがで読破)
著者名ドストエフスキー, バラエティアートワークス,
出版社 イーストプレス
ASIN 4872578899
装丁 文庫
価格 ¥ 920
感想文概要:このシリーズは
本文:この漫画で読破シリーズにレビューを書くのはなんと三作目です。
書かずにはいられないんです。

このシリーズは読みやすい、という点では本当に優れたものだと思います。
しかしそれが故に大事な部分がボロボロ剥がれてしまっている。しかもその部分が文学の肝だというのに。
正直この漫画版カラマーゾフの兄弟を読むなら、世にある他の漫画を読んだほうがおもしろいでしょう。

とにかくこのシリーズは「まんがで読破」ではなく「名作を参考にした漫画」と思っておいたほうが無難です。

概要:良作です!
本文:他のレビュアーの方が、「絵が汚い」と仰っていましたが、十分綺麗ですよ。
この漫画、私は大学の教授から頂いたので早速読破してみたら、普通に面白い、面白い。
……あと、個人的な意見なのですが、この話に登場するキャラクターで一番美人なのは、カテリーナでなくグルシェンカでもなく、実はアリョーシャではないかと(笑)

概要:フョードルとミーチャは○、イワンとアリョーシャは×。
本文: つい先日、原作『カラマーゾフの兄弟』を評判の亀山訳で、半年程かかってやっとの事で通読したが、ストーリーのあまりの冗漫さに辟易し、この漫画版でストーリーを復習しようと思った。

 ストーリー展開も早く、すぐに通読できるのはありがたいが、あの長編を僅か漫画本1冊にまとめるのは当然無理がある。原作の大幅なカット(ゾシマ長老の説教)や重要なストーリーの改変もある。次男イワンは別に革命運動がらみで「大審問官」を語った訳ではないのに、これでは彼の思想があまりに矮小化・軽薄化されてしまっている。風貌もこんなイケメン風でなく、眼鏡をかけたインテリ風でなきゃ。また三男アリョーシャのキャラがやたら軽々しく、なんだか少しバカなのではと思える程だ。

 他方、父親フョードルの描き方は原作以上に現実感があり、絵柄もイメージ通りだった。長男ミーチャも中々上手くキャラが描けていたが、当時のロシア将校の風貌としてはやはり髭があった方が良かったと思う。グルーシェンカ、カテリーナの女性陣はほぼイメージ通りで良かった。

 私は原作自体をあまり評価していないので、対時間効率からすれば本書を読んで粗筋を知り、気になった人は、「大審問官」や「ゾシマ長老の説教」などの名場面だけ、原作に当たれば十分だと思う。


概要:カラマーゾフ
本文:前々から気になりつつも、原作の文章量に抵抗があり名前も覚えにくい所から読まずじまいの作品でした。
この漫画の評価としては、内容は分かりやすいものの、人物の考え方の変化や何故グルシェンカに惹かれるのかがいまいち分かりにくく感じました。
グルシェンカの心の変化もいきなりのように感じたし……
やはりあれだけの量をこんなコンパクトにまとめると仕方ないですよね;
登場人物の顔の描き分けにより、名前も覚えやすかったですし、おおまかなあらすじも分かったので原作にチャレンジしたいと思えるようになりました(^-^)

概要:必読
本文:難しい本なのでマンガで十分だと思います。ある本の批評では「法学部で司法を学ぶ人に推薦」って書いてありました。

著書名 文庫で名作再読―『走れメロス』から『カラマーゾフの兄弟』まで
著者名宅間 紘一
出版社 新泉社
ASIN 4787708023
装丁 単行本
価格 ¥ 1,890
感想文概要:
本文:

著書名 「カラマーゾフ兄弟」の翻訳をめぐって
著者名大島 一矩
出版社 光陽出版社
ASIN 4876624712
装丁 単行本
価格 ¥ 2,100
感想文概要:
本文:

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