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個人輸入代行の『舶来屋』がお薦めする「 河合 隼雄 」関連の書籍をご紹介しています。


著書名 こころの処方箋 (新潮文庫)
著者名河合 隼雄
出版社 新潮社
ASIN 4101252246
装丁 文庫
価格 ¥ 420
感想文概要:心の「こり」をほぐしてくれる言葉
本文:一見人生相談のようなタイトルですが、ああ、こういう見方もあるんだな、と気づかされる、本当の意味での「心の処方箋」でした。薄っぺらいハウツーものや自己啓発本のように、このときはこうすればいい、などという安直な答えはどこにも書いてありません。具体的な悩みがなくても、この本を読むと、何かに捕われていることに気づかされてスッと楽になるような本です。人によっては、自分が立ち向かわなくてはならない現実を目の当たりにされて心が引き締まる思いをするかもしれません。これを読んだからといって、悩みが解決するわけではありませんが、確実に、読む前と後で、自分の心のあり方が変わっているような気がします。これからも、何かのたびに思い出してページをめくっては、新しい気づきを感じるかもしれません。読みやすいけど、深い本です。

概要:常識を非常識からまもる重要性
本文:こころの処方箋 河合隼雄 新潮社 1992

河合隼雄(1928−2007)「新刊ニュース」1988−1991に連載した文章と書き下ろし。
1992年1月発行で6月には13刷となっている。かなり売れたのでしょう。
著者があとかぎでも述べられているのだが、本書は「常識」(読者が既に腹の底では知っている)を書いていると。しかしその常識を売りものにしている理由として、現在常識があまりに知られてない時代なのではないかと。そして知識は沢山持っていながら常識の無い人が増えている。またマスコミなどが「非常識」を売物にするので、常識がない方が価値があると錯覚するのかもしれないが、常識を知らぬ「非常識」は、あまり好きになれないと吐露している。
まさにおっしゃる通りである。臨床心理学者としてだけではない深い知識の集積に基づく文章はまさに「なるほど」とうなずかされる。それは、やはり他者との関係性という文脈の中でしか生きる事の出来ない「自分」を俯瞰的にそして時に光の当たる面と、影の面を映しだしてくれているように思う。
いくつか、備忘録的にメモしておきたい。
ものごとは努力によって解決しない。(逆説的たがなるほどである)
「生まれかわるためには死なねばならない」の中で、氏は「肉体的死を回避しつつ、象徴的死を成就することが必要で、ただただ「死」を避けていたのでは何事も成らないのである」
「勇気にもハードとソフトがある」そして優しさにも勇気が必要だと。
「日本的民主主義は創造の芽をつみやすい」丸く収めようとしすぎだと指摘
「物が豊になると子育てが難しくなる」心を使う代わりにお金を使ってはいないか?と指摘
「権力の座は孤独を要求する」権力を有するもの(誰でもそれなりの権力を持つ)の心構えの常識が述べられている。



概要:最悪の本。
本文:私が今まで読破した本のうちで、最悪の部類に入る本である。なぜなら、著者は、極限まで追い詰められた人間の心理にまで、まったく言及していない。筆者は、人間の心理を全く理解していないと考える。心の処方箋が本当にほしいのは、極限まで追い詰められて、どこにも助けを求められない人達なのだ。この筆者は、人間洞察力が甘すぎる。駄作中の駄作であった。

概要:適切な入門書となりました。
本文:大勢の方々が今までにたくさんのレビューをお作りになっていらっしゃる事がわかり、改めて河合隼雄さんの事を知りたいと思うようになりました。

私は精神的な疲れから病を患ったものですから、余計に感銘を受けたに違いないと思います。

幸い今はもとの仕事に戻る事も出来ましたが、それでもなお、折に触れては好きなところをその都度読み返し、そのしるされた言葉の奥深さを味わう事が出来て幸せに思っております。

さしずめ私にとりましての信心深い方々に於ける聖書的なものとでも表現すれば良いでしょうか。

河合隼雄さんは、残念ながらこの世にはもういらっしゃいませんが、優れた臨床心理療法家であり、優れた人格を備えた人であったと思います。

概要:人生の機微を弁える難しさ
本文:
河合隼雄氏が心理療法士として長年の経験を基に、心理療法の難しさと人の生き方についてのアドバイスを、具体的な事例を挙げて55編のエッセイに綴ったものである。この作品を何回か読み直してみて、後期高齢者になりながら今なお人生の機微を弁(わきま)えることの難しさを改めて痛感した次第である。

たとえば「うそは常備薬で、真実は劇薬」という一文がある。「うそ」とは「日常人と付き合う時にはお世辞を用いよ」程度の意味で、日常の人間関係維持のため気遣いの効能を説いたものである。一方「真実は劇薬」なので、その言い方を間違えて 相手の真実の欠点をストレートに指摘すると、「それが致命傷になり人間関係を害う恐れがあるから気をつけろ」という警告になる。

「男女は協力し合えても理解し合うことは難しい」という一文は、中高年になって 夫婦間の危機を感じる人が多いことへの警告で、若い時は子育てなど夫婦が共通の目標を持っている時はお互いに協力し 相手の欠点をカバーし合えるが、目標を達成した後でお互いまだ本当に知らないことが残っていたことに気づく。男女が理解し合うことはとても困難だという忠告である。

他にも「100点以外はダメなときがある」「ものごとは努力によって解決しない」「”幸福”になるためには断念が必要である」など一見逆説的な警句が並んでいるが、それらは心理療法士としての長年の経験に基づく助言であることが分かる。人生の生き方の難しさを弁えると共に、自らの特徴を活かし 欠点を補ってゆく手法を学ぶ上で、とても役に立つ本といえよう。


著書名 ユング心理学入門
著者名河合 隼雄
出版社 培風館
ASIN 4563055115
装丁 単行本
価格 ¥ 1,365
感想文概要:必読
本文:ユング心理学のみならず、生きる上で不可欠な「人生への漠然とした理解」を、分かりやすく心に染み入らせる名著。河合先生のお人柄が現れているようで、安心して読めます。

概要:最適なユング入門書。
本文:入門書というのは難しくてはいけない。
特にユングの場合はユングが書いた本が難解(というか、読者向けに書かれていないような気がする)なため、
他にも多くの入門書がある。

しかし、内容が余りに浅すぎて読み終わってもたいした知識も得られなかったという入門書も少なくない。

その点、この本は簡単すぎない。
一日で軽く読んでしまおう、というレベルの本ではない。
だから、他のどの入門書と比べても、
「しっかりユング心理学を勉強したい人向け」の本と思う。

著者は世界的にも有名な日本のユング心理学の第一人者で、
惜しくも亡くなられてしまった河合先生である。

概要:単なる専門書の域を越えた
本文:初版は1967年である。
以来版を重ねて、僕が買った分は2007年1月発行の第57刷。
四十年余の風雪に耐え、市場に受け入れられ、改訂なしで今も店頭に並んでいる。
それほど完成度が高いということか。
「ユング心理学について体系的に、初学者にもわかるようにまとめられた入門書」
ひとことで言うとそういうコトになってしまうが、本書はそんなやわなシロモノではない。
単なる専門書の域を越えた「読み易さ」「味わい深さ」「専門書としての学術性」を兼ね備えている。
それは、本書がユング心理学を銘打ちながらも、「ユングの世界」に著者の河合氏が自らの「世界」を付加したことで実現している。
アニマ、アニムス、元型・・・といったユング心理学に特有の用語や概念の定義や「無意識の領域からの「心像」を自我で統合する」ことを自己実現への過程(ゴールのない過程)とするユング心理学のエッセンスが言葉を尽くして解説されていることはもとより、豊富な臨床実例を引くことにより、「療法」のために役立つ心理学であろうとする、実践派的な姿勢に貫かれているところは、始祖ユングのスタンスを河合氏自身が継承し、強化していると言って良い。
さらに、ユングが言及した東洋思想との関わりから一歩踏み込んで、東西の比較と日本での展開、日本社会や日本人の心のあり方にまで筆を進めているあたりは、まさに「河合氏の世界」である。
これらについては現在の日本人が、自らを見直すヒントとして本書を紐解いたとしても何ら色褪せていない。
心理学を志す人のみならず、ストレスと向き合う現代社会をどう生きるべきかを悩む人、日本人は日本社会の進むべき方向を考えたい人etc.
本書からナニゴトかを得ることのできる人は少なくないはずである。


概要:教えて下さい
本文:買いたいと思ってるんですが「ユング」の意味が良く分からなくて、買うのが少し不安なんですけど…誰か教えてもらえませんか。買った感想じゃなくて本当にすいません。

概要:入りやすい
本文:河合隼雄先生が書かれた本。
ユングの入門書としては、読みやすくて入りやすい本だと思います。
各章ごとに基本が押えてあって良かったのですが、わたしは特にタイプ論の章が詳しく書かれていて面白かったです。
この本を読み終わってみて思ったのは、先入観を持たずに理論を用いずにクライアントさんの話を聴くということの難しさと、自分とクライアントさんの身を守る為に知識を身に付けるというアンビバレンスに耐え、カウンセリングの技術を研鑚していくのは本当に大変だろうな、、、ということでした。
河合先生の本を読むといつもそのことがテーマになっているような気がします。
あと、心理療法がクライアントさんと治療者との相互変容により、患者さんの治療を通して治療者のほうも人格の発展を遂げるという考え方もいいなぁと思いました。
ユングに興味のある方にはお薦めします。




著書名 「あるがまま」を受け入れる技術 (PHP文庫 か 1-2)
著者名谷川 浩司, 河合 隼雄,
出版社 PHP研究所
ASIN 4569671136
装丁 文庫
価格 ¥ 580
感想文概要:
本文:

著書名 Q&Aこころの子育て―誕生から思春期までの48章 (朝日文庫)
著者名河合 隼雄
出版社 朝日新聞社
ASIN 4022642777
装丁 文庫
価格 ¥ 525
感想文概要:頭や理屈じゃなく
本文:読む人や読む時期によって見えてくるヒントが違う本だと思います。
読むと楽になるような事が書いてありましたが、私は逆に身が引き締まりました。
理屈じゃなく頭で考えるのではなく人間と人間の付き合い方で基本的な事の重要性と勘は世の中今一番欠けていて一番不安な所で答えが一つではない所だと思うので、そこを何とかするのはやっぱり難しいなと思いました。マニュアルや色々な子育て論は参考程度に、私自身の経験や勘も大事にして心も成長させながら子育てしなたいなと思いましたが、、主人の感想は考え過ぎだと思うよ〜皆そんなに色々考えてないと思う、、でした(笑)
まあ子供の相手しないで本読んであーだこーだ言うより主人のようにゴロゴロ子供と寝転んでオナラかけあって喜んでいるのもいいかな??

概要:気軽に読めるけれど、とても深く、再読三読したくなります。
本文:河合先生のお話がそのまま関西弁で書かれていて、
お話を聞いているように気軽に読めますが、
他の方も書かれているように、
その内容は本当に深く、
子育てに対してだけでなく、
今の日本社会に対しても啓示に満ちている本だと思います。

心に刻んでおきたい、覚えておきたいことが
こんなに多く書かれていた本は初めてかも知れません。
多くのページの角に折り目がつき、
あらゆる箇所に横線が引かれました。
一読するだけで忘れ去るには、あまりにもったいなく、
続けて再読しました。

・物が豊かになり、世の中が便利になった分、
人は心を使わなくなってしまった。
心を使う事をサボるようになった分、昔とは違った問題が色々起きている。

・大人から見たら、無駄に見える遊び、無駄に見える時間にこそ
子供の内面は育っている。

・正しい事を立て続けに言われたら、人は動けなくなる。

等々、なるほどなぁ、と思う事が山ほど書かれています。

この本を読み、
頭で考えるのではなく、心で感じ、
子供と共に自分自身も育てて行く気持ちで
子育てをして行けばいいのだろうと改めて思いました。

また、何度も読みたいと思います。

概要:「強い絆よりも深い絆」、これからの目標です
本文:子育ての権威(?)といった人たちが書いた、育児の方向性を決めつけるようなアドバイス本には疑問を
感じることがありますが、河合さんは親の目線と近いところで話しかけてくださっているようで、ひじょうに
読みやすかったです。
「ふたばのころ」も「新芽のころ」も過ぎ、「若葉のころ」も終わりかけているわが家の子どもたちなので、
う〜ん、今からじゃ遅いかな…と思う事柄もあります。
でも、彼らなりに自分たちでよく考え判断して動ける人間になりつつあるので、まあいいか、とも思います。
「自分の人生を生きられる人間」…私自身も大事に自分の人生を歩みたいと気づかされました。

概要:まだ子どもはいませんが
本文:私自身はまだ子どもはおりませんが、育児をするときには
何度も読み直したいなあと思う本です。
自分自身の成長も振り返りながら、自分はこう育てられたから
こんな人間なのかもしれない、と自分を振り返ることもできるようにも
思いました。
子育てに正解、王道はないかもしれないけれど、目指すべき道というか
気持ちがわかってくるようにも思います。
それでいて人間、やはりみんな悩みながら子育てをしているんだなあ、
と悩みを共有できる感じもします。
河合さんの本は、読後いつも安心感が生まれるように思います。

概要:子育てのバイブル
本文:いつも知人への出産祝いとして送っているが、評判はよい。
一般的なQ&A形式とはちょっと異なり、Q&Aになっているのは章のタイトルだけで、テーマにそって臨床心理学的見地からズバッと筆者の考えを述べている。細かいテクニックではなく普遍的な考え方が書いてあるので、子育てをする人だけでなく子供に携わる人すべてにとって参考になる。読みやすい文章ですぐ読める。子育てをしていればちょっとした言葉に励まされたりするもの。読んで得られるものは大きい。



著書名 こころの声を聴く―河合隼雄対話集 (新潮文庫)
著者名河合 隼雄, 安部 公房, 白洲 正子, 山田 太一, 谷川 俊太郎,
出版社 新潮社
ASIN 4101252238
装丁 文庫
価格 ¥ 500
感想文概要:小説好きには!
本文:村上春樹、安部公房などの名前が載ってたので買ってみました。
10人の日本を代表する文人との対話集なんだけど、対話のレベルが高いのでただの雑談めいたインタビューとはわけが違います。河合先生は、本という物、読むという行為について一人一人対話されてるのですが、わかり易く心理学をひきだして話されてるので非常に読み易い。
村上春樹が普段語らない様な幼い頃の両親の記憶から小説家になるまでの経緯などを詳しく話してたりとか、その他にも勿論興味深く内容の濃い話ばかりで476円の割りにはかなり楽しめました。小説が好きな人なら、今まで以上に違う視点で読む事を楽しめるようになれる一冊です。
河合先生はやっぱり凄い!

概要:読むと何だか気合いが入ります。
本文:そうそうたるメンバーとの対談集。それぞれの分野で極めた大先輩ばかりですが、人生や仕事に対する真剣さ・真摯さが伝わってきて、気合いが入ってきます。よし、やるぞ!という気持ちが湧いてきます。くよくよしそうになる時に読んでいます。気分爽快になります。

概要:さくさく読めます
本文:読書歴が浅く、河合隼雄と安部公房が好きで買ったので、対話者の半分くらいは名前も知らない人達でしたが、それぞれの人達の個性がよく出ていて面白かったです。個人的に対話者の作品についてよりも雑談めいた箇所の方が楽しめました。
対話者が作家だけでなくて詩人、学者、医者などなかなかバラエティに富んでる内容かなと思いました。

著書名 子どもの宇宙 (岩波新書)
著者名河合 隼雄
出版社 岩波書店
ASIN 4004203864
装丁
価格 ¥ 735
感想文概要:何度も読み返したい本
本文:子供が4,5歳の頃(9年前)購入して読んで感激しました。
子供の成長の折々にいくつかの本を与えました。特に下の長女の
本好きのきっかけになったのではと思っています。

幼少期、思春期といった成長過程の中で揺れ動く心をサポートしたいと思うのが親心ですが
実際の行動が可能性を殺したり、芽を摘んだりになってしまうと言うことも警告してくれます。何度も読み返したい素晴らしい著書です。

概要:日々の雑事に追われる大人が忘れていること
本文:小2の女の子と年中の男の子の子育て真っ最中なので、
この本を読む前に「Q&Aこころの子育て」を読みました。
そちらがあまりも面白く、読みやすく、心に残ったため
こちらの本は、文章が固く感じられ、少々魅力に欠ける気がしてしまいましたが
もちろん良書であることに違いはないです。

日々の雑事に追われる大人が忘れ去っている大切なことを
子供たちは、いつも心にもって生きている。
子供の心に寄り添うことで、大人もその大切なことを
思い出させてもらえる。
河合隼雄氏は、そのことを実に深く理解されている方だったのだと思います。

この本の中で紹介されている児童書を
少しずつ時間を見つけて是非読んでみたいと思います。
まずは「のんちゃん雲に乗る」から読もうと思い、
さっそく近所の図書館で予約しました。

概要:たった一つの宇宙
本文:河合隼雄先生が書かれた本。
最後の章を読んで泣いてしまった。
なぜ、大人になると子どものときの新鮮な感じかたを忘れてしまうのだろう?
なぜ、子どもの世界を知ろうとしないで、自分達の考えかたを押し付けてくるんだろう?
今自分が大人になってみて、子どもの目線でものを見ることが出来ているのか、考えを押し付けていないかを自分自身に問い掛けてみるときがある。
今まで経験を積んできた分こうしたほうが上手くいくよとか、こういうことを考えているんだろうなとか勝手に想像したりするけれど、それで子どもを傷つけてしまっていないだろうか。
もう一度、子どものときの気持ちに戻って振り返ってみたい。
何を見ても新鮮で、大発見だと思うことばかりだった。
あの頃のようにキラキラした目で一緒に見てみたい。
そしたら、子どもは秘密の宝物を、宇宙を見せてくれるんじゃないかな。


概要:輝くトリックスターたち
本文:子供ひとりひとりが壮大な宇宙を持っている。
いつしか、それがどんどんしぼんでしまったかつて子供だった私。
子供たちの目線までしゃがんで、子供たちの声を聴いてみよう。
そして、その瞳のなかに輝く宇宙を大切にしていきたい。

「育てられたように子を育てる」
はじめよう、私たちが出来ることを。



概要:この本を読む父の姿を思い素直に感心した
本文: この本は父親の書斎から出てきた。本自体が約15年前のものだから、ちょうど兄が中学生で思春期の頃。もろに反抗期で、家ではろくに口も利かなかった。
 この本はそんな兄を理解しようと、親としてうまく対応しようと読んだのだと思う。父はもともと寡黙な人なだけに、基本的に何を考えているかわからないが、この本を手に取った時の気持ちを思うと妙に感動した。
 なんだ。どうにかしようとしてたのか、と。

著書名 こころと脳の対話
著者名河合 隼雄, 茂木 健一郎,
出版社 潮出版社
ASIN 4267017999
装丁 単行本
価格 ¥ 1,260
感想文概要:「聴く」を仕事にしている人には必須本
本文:心理学も脳科学もサイエンスというよりもアートの世界だ。

アートの世界は、今この瞬間にしかありえないことが起きる。
そこには再現性はない。

アートの世界は、何かと何かが融合した時に起きる。
そこには関係性が存在する。

悟りの境地に入ったような河合隼雄さんと切れ味抜群の茂木健一郎さんの対話が心地よい。

お互いがお互いの引き出しを開けまくっています。

「聴く」を仕事にしている人にとって宝物がたくさん詰まっています。

本質はこれしかないんじゃないかと思える箇所が多々あります。

楽しみながら心の深い世界まで運んでいってくれる。そんな1冊です。

概要:脳科学という文脈の外にある本質
本文:2006年に行われた2回の対談とカルチャースクールでの講演。
河合隼雄(1928-2007)の箱庭療法は臨床心理学として特に有名だとは
知ってはいたが、しっかり氏の本を読んだ事もなく時間が過ぎてしまった。
茂木氏は大学時代のご自身の箱庭療法での経験を既に自著で述べられているが、今回の記載とは若干異なるように記憶している。
いずれにしても、河合さんの広範は文化や歴史に対する理解が実は脳科学という科学的手法をとらなくても(ある意味、脳科学原理主義的な昨今の風潮)十分に心の理解に通じているということを明らかにしている様に思おう。関係性という科学では証明しえない、客観性だけでは捉えきれない心の問題を、分からない事は分からない、しかし知るあるいは理解する努力を怠らないことで本質に迫る手段になるのだ。
そこにメディア露出の茂木氏と河合氏の大きな違いが見えてきた。
茂木氏の情報量も知識ももちろん凡人には到底超えられないレベルであろうが、河合氏の落ち着きはらった態度と洞察力、そして人を包み込む温かみは残念ながらまだ彼にはないようだ。
河合氏の聞く態度、考える態度、そして人に接する態度が印象に残った一冊である。



概要:「先生の言葉、宝石のようです」と茂木氏を感嘆させた対談集
本文: 臨床心理学者の河合氏と脳科学者の茂木氏が、それぞれの専門である「こころ」と「脳」についての3回の対談をまとめた一冊です。

 河合さんの考えは、従来の研究者らしくありません。
「全体を認識することが大事であって、解釈する必要はない」と言います。クオリア(感覚質)をライフワークとする茂木さんと、対談の冒頭から意気投合するのは、必然のなりゆきでした。

 あの自信たっぷりの茂木さんが「河合先生の言葉、宝石のようです」と感嘆してしまいました。こんな茂木健一郎、見たことありません。

 本書の内容は、2006年に月刊誌に掲載されたものをまとめたものです。
 対談が2年前に終わっているのに、なぜこんなに出版まで間があいてしまったのでしょうか。せちがらい今の出版界事情では、次々と新刊を繰り出さなければやっていけないはずです。

 詳しい事情はわかりません。
 河合さんの遺族に配慮したのかもしれませんし、単に編集担当者の怠慢だった(笑)のかもしれません。

 読み終わって私が感じたのは、河合さんが治療と研究に取り組んでいる姿が、目に浮かぶように生き生きと感じられたことです。
 もし、河合さんが亡くなった直後に出版されていたら、「あぁ、こんなに元気に活躍しておられたのに……」と追悼の思いが先にたちすぎて、河合さんのメッセージが心に届いてこなかったと思います。

「人間を全体で見よ」とい河合さんの治療姿勢は、この時期に読むからこそ胸に響いてくるのでしょう。

 茂木さんといっしょに、あなたも河合先生と「関係性」を結んでみてはいかがでしょうか。

概要:聴き手のたのしい饒舌
本文:河合さんは、「聴き手」として、もうこれ以上ない相手だといつも感じられるのは、多くのさまざまな分野の人との対話を読んでいると思うこと。
この茂木さんとの対話でも、やはり・・・と思いながら、読み進めていると、対話の句切りの各所で河合さんが、「もっと脳の話を聞きたかったなあ・・」と終るところが、この対話集の特徴になっているところを表わしています。
茂木さんの深々とした関心が、河合さんの豊かな体験や思うところをいつにもまして引出し、読み手のこちらも、たのしく、おもしろく、尽きなくページを夢中で進めてしまう。

河合さん没後の出版ですが、読んでいると、「聴き手」のマイスターといっても、それでも足りないほど。ほんとうに貴重な方を失ったなあと、改めて思われる。

河合さんが「聴き手」としてのマイスター、ということの証しみたいな話がある。
河合さんがよくタクシーに乗ると、運転手の方がなぜかよく、「じつは、ほかの仕事がしたかったんですよねぇ・・」などと話しかけてきてしまうというエピソードの中にもある。もちろん運転手の人は河合さんだとは知りもせず、気づいてもいないわけだが、つい「へぇ・・」などと答えてしまうと、運転手の人は尽きなく話しかけて来て、ついには道に迷ったり、間違えたり、ということになるので、だんだんタクシーに乗る際にはそんなムードに「乗らない」ように体勢をつくるようになったそうだ。

箱庭の現場の話とか、また患者さんとの興味深い体験など、「割切れない」ことの不思議さ、おもしろさを、思いださせる話し満載だ。

概要:河合氏がグッと濃縮されています
本文:お釈迦様は、説法をする相手によって内容を変えたといいます。河合氏もさまざまな方たちとの対談がありますが、その都度、ユング心理学やご自身の臨床体験から得た知見を、異なる視点からわかりやすくお話されています。本書は、生前、脳科学者と雑誌で対談された内容が、死後、単行本として再編・出版されたものです。
特に、箱庭と夢との共通性やシンクロニシティと無意識との関係のエッセンスが、グッと濃縮されています。
河合氏のユング心理学はまず「意識と無意識の関係」に注目します。例えば箱庭で、ニワトリなりゴリラなどのアイテムを手に取りますよね。この時点ですでに、アイテム(意識)の背後にその人の無意識が関わってきているわけです。「たとえば、ニワトリならニワトリが、心のなかに残っているわけですね。で、帰ろうと思ったら、本屋でニワトリの本がパッと目に映ったりするとか。必ず買って読もうと。それが、ユングのいう「シンクロニシティ」です」(本書より)。
この時、箱庭で選んだニワトリと本屋で見つけたニワトリとは因果関係はないです。大切なのは、自分の無意識と外のものとが呼応するというほうです。なぜか知らないけれど、箱庭の前に立ったらニワトリというアイテムを手にしてしまった。そして、帰りに本屋に寄ったら、ニワトリの本にパッと目がとまって買ってしまった。私のなかになぜかニワトリというかたちで無意識が働き出して、それがニワトリの本と呼応した。これが「シンクロニシティ」です。「意味ある偶然の一致」です。ここには科学的な因果関係はまったくありません。でもこころにとって「意味」があるんです。氏はいいます「この非因果的ということがものすごく大事なんです」(本書)、と。河合氏はこの無意識の非因果的連関のなかに、臨床の中でクライエントの生きる「意味」と「可能性」を探りだしてゆくのです。

「とくに近代科学以後は、因果関係を知るというのはすごく便利なことで、役に立つことでしょう。因果関係がわかったら、こちらの意図で操作できるわけですから。だからそっちへ行きすぎて、非因果的連関を見る態度を失ったんじゃないかと、僕らは思っているんですね。(中略)
僕なんかは、この非因果的連関のほうをけっこうおもしろがって見ているわけですね。もちろん因果的にはつながらないんですよ。ただ、ミーニング(意味)はあるわけだから、そのミーニングを知ろうというわけですね」(本書)。

(箱庭の世界は)「わからない。わからないのが大事なんです。だから、それが「可能性」なんです。だからこれを続けると、その可能性が活躍したりするんですよ。
可能性がもう出てきてる。自分でもわからない可能性があって、そのへんが活躍しだす」(本書より)。

こうしたシンクロニシティで出てくるものが、自分の無意識のなかで大事なものなんだと氏は指摘します。
箱庭のもつ可能性を再認識させられました。本書は、日常生活の中で河合氏がどのように、自らの無意識とおつきあいしているのかも垣間見ることができ、参考になりますよ。

また、氏が箱庭療法の余韻がのこる態度でタクシーに乗ると、なぜか運転手にブワーッと身の上相談されて、まるっきり違うところに連れて行かれたなんてお話も入っていて、笑いのツボもしっかりと押さえられています!


著書名 河合隼雄の“こころ”―教えることは寄り添うこと
著者名河合 隼雄
出版社 小学館
ASIN 4098373793
装丁 単行本
価格 ¥ 1,365
感想文概要:遺作
本文:少し前に亡くなられた、臨床心理学者の河合さんの
教育に関するコラム集。とても短いですが良い内容です。

後半は児童書を中心としたブックガイドになっています。
その紹介文を河合さんが書く予定だったが、
残念ながらその前に倒れてしまった、とのこと。

河合さんによる児童書解説は主にこれらの本で読むことができます。
『子どもの宇宙』
『「子どもの目」からの発想』
『子どもの本を読む』
『ファンタジーを読む』

他にも何冊かあるみたいです。

著書名 コンプレックス (岩波新書)
著者名河合 隼雄
出版社 岩波書店
ASIN 400412073X
装丁 新書
価格 ¥ 777
感想文概要:名著
本文:コンプレックスという一般的に否定的な感情と思われているものが、実は個人の内的成熟の強力な鍵となっているということは知るに値する知識である。
全体を通して粛々と細やかな整理と定義づけが行われており、専門家でない人間でも大変わかりやすくすらすらよめてしまう。
興味深い部分は多々あるが、この書の大きなポイントは「コンプレックスとの対決」のところにあると思う。

・コンプレックスは否定するべきものではない。抑圧するべきものでもない。
・ここで言うコンプレックスの「解消」(コンプレックスとの「対決」)とは、コンプレックスを否定し「消す」ことではない。コンプレックスと向き合い、「統合」することである。それによって、私達はより大きな自己(より成熟した自己)に成長することができる。
・私達の潜在的な意識は、周囲の人間配置や未来にあるべき姿(「潜在的な布置」)を読み取り、自身の成長のために、自然に感情を引き起こし、コンプレックスを浮上させ、その対決を促す。
そして本人だけでなく、同じく成長を必要とする周囲の人間をも巻きこみ、コンプレックスと対決させ、ひとまわり大きな人間に成長するように促す。
一見、表面的に見たら、ネガティブな印象を持つコンプレックスの爆発やそれに伴う事象(争い等)であっても、実は個人の(はたまた周囲も含んだ!)成長の為の大いなる起爆剤である可能性があるのだ。
(もちろんそうでないケースもあるし、うまくいかないケースもある。著者は書の全体を通してさまざまな定義付けときめ細かな整理を行っている。)
・コンプレックスの解消には内的な死の体験が伴う。しかしそれは自己成長の通過儀礼であるらしい。・・・etc,etc

こういった知を得ることは、私達の人生における内的混乱を整理し、生きることの深い思索と思いやりを促してくれる。
また、こういった知を得ていると、一体、私達の成長するべきところをまるで知っているかのようにコンプレックスを引き起こし、成長を促すその根本の知(または力)は何であろうとさえ思い、感動する。

河合先生の素晴らしい知の世界と読者を導くインストラクティブ能力、行間ににじみ出る人柄とユーモアのセンス・・・ 初版から40年近く経った今でも全く衰えない名著である。

概要:コンプレックスを知る
本文:ユング心理学を射程に入れつつ、コンプレックスと自我の関係、コンプレックスとのつきあいによっていかによりよい自己実現が可能となるか、また夢とコンプレックスの関係などを具体例を提示して、説得的に語っている。コンプレックスの否定面だけでなく、積極的な面もあわせて理解する上で本書は好著だろう。

概要:コンプレックスの不思議
本文:どうしてあの人の前に出ると嫌な感じがしてしまうんだろう。どうして自分が幸せになれないと思う人ばかりと恋愛関係に陥ってしまうんだろう。どうして○○の場面になると逃げ出してしまいたい衝動に駆られるんだろう。
そんな、自分の中にある大小さまざまなひっかかりが、実はコンプレックスというものに大きく関係していることがこの本を読んでわかり、目からうろこだった。それなら、あの人のあの不可思議な行動は・・・?あの人のあの異常な怒り方は・・・?自分の周囲の人たちの理解しずらい面も、おのずと説明できる。

正体不明の「ひっかかり」がコンプレックスに関連しているとするならば、日常的にしている、自分を責めることや他人に嫌悪感を募らせることに、一定のブレーキがかけられそう。自分にも他人にも寛容さを持つことができそう。

「あるコンプレックスが強力となってきたとき、それに対応するような外的事象が起こる」という「不思議な内界と外界の呼応性」は、コンプレックスと対決しそれを自己に組み入れていく準備が自分の中に整ったという合図なのかもしれない。ツイていない、と思える出来事がやってきても、<対決の時機が来た!>と腹をくくれたら尚いいだろう。
そして、
「コンプレックス―――多分それは障害だろう。しかしそれは偉大な努力を刺戟するものであり、そして、多分新しい仕事を遂行する可能性のいとぐちでもあろう」
という著者が引用するユングの言葉は、自分の中にもあるはずの可能性に希望の光を照らしてくれる。

概要:自分の正体を知る
本文:遅かれ早かれ、人生につまづくようなことって、誰にも一度はありますよね。

そうしたことを契機として、人が自らの人生を省みたり、俯瞰したりするとき、
結局は、問題となっている事柄の病巣が、
自分自身の内面にこそあると気づくことが多いのではないでしょうか?

「汝自身を知れ」というターレスの言葉のソクラテス的解釈は即ち、
「自分の(人間的にイヤラシイ部分を含めた)正体を見つめる」ということであり、
自分が目をそらせてきたそのイヤラシイ部分と対峙することなしに
人生における真の成功(名著「7つの習慣」で言うところの、特に「個人的成功」)は
あり得ないのだということを
この書物は、「コンプレックスとの対決」という言葉で
伝えているように思えます。

そもそも、内省的でない人は、検索によってですらこの本に出会わないでしょう。
この欄に至った人は、
なんらかの問題を自分のうちに抱えていることを自覚している点で、
既に大いに救われており、
またユングの言うところの「自己実現」の可能性を秘めている方だと思います。

同じ著者による 「無意識の構造」中公新書 とダブる部分も多いですが、
・心のエネルギーの流れを水路に譬えている点
・自己実現はコンプレックスとの真剣勝負の対決無くしては図れない点
など、
この本から多くの卓見とヒントを拾えると思います。

道に迷い、人生における自己実現の過程が暗礁に乗り上げてしまっている方は
ご一読なさってみてはいかがでしょうか?
また、そうでない方でも、
この本に書かれている知識を、教養として頭の隅に置いておくことは、
長い人生、決して損ではないはずです。

概要:気になる自分のコンプレックス
本文:著者のユング心理学入門を既に読んでいたので、「コンプレックス」がユングの用語だということは知っていた。コンプレックスをユング心理学の背景から理解するために適当な本だと思い購入した。

読み進むうちに、自分のコンプレックスを意識させられる。それを解消するにはどうしたらよいのか。著者はコンプレックスを歪めたり、目を背けたりせず、対決する姿勢が大切であると述べている。

また、仮に自分のコンプレックスが判明したとしても、公言せず心の内面に秘めておくほうがよさそうだ。

著者の書く本は、このように自己分析の世界に誘ってくれるので、イメージがわいて、読んでいるあいだじゅう楽しい。

著書名 村上春樹、河合隼雄に会いにいく (新潮文庫)
著者名河合 隼雄, 村上 春樹,
出版社 新潮社
ASIN 4101001456
装丁 文庫
価格 ¥ 460
感想文概要:心のもやもやが形になってみえてくる・・・
本文:これは、小説ではなくお二人の対話をまとめられたものです。

村上春樹が作品を作るうえで、悩んでいること、自分のテーマを明確に打ち明け、河合隼雄先生により癒されているようでもありました。村上春樹は小説を書く作業は自分の中に開いた空白を埋めるような作業だと語っていて、そのもやもやが、河合隼雄先生との対話によって、形がみえてくるのです。(不思議なことに、私もこれを読むことによって、もやもやが、みえてきたようでした。)

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ここで、どうして、河合先生は「先生」で、村上春樹は「村上春樹」なの?と、思われる方もいらっしゃるかもしれないので(いるかな?)・・・ちょこっと解説です。
村上春樹は、私がすごく身近に思えてしまう人なんですね。
彼の作品は、私の心のメタファーですから(笑)。
そんなすごい作品が作れるすごい人だと思っています。そして、自分の悩みをはっきりと人に打ち明けることができるという点で、すごい人なんだとなおさら思ってしまうのです。
そんな思いがあり、親しみをこめての「村上春樹」(あくまでも呼び捨て)なんです。
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村上春樹の作品は、これまで「ノルウェーの森」「海辺のカフカ」、それからデビュー作「風の歌を聴け」の3作品を読みました。まだまだ彼の世界について、わかったわけではありません。私がわかったつもりになっているのは、ごく一部です。これらの作品を読んで、共通のテーマを感じました。
自分のもっとも関心のあるテーマでもあります。
それは、「喪失感情」ということ。現実との壁。現実感の喪失。何かを失った時の感じが続いているということ。
対話の中で、それについて村上が「デタッチメント(関わりのなさ)」と、言っていることで少し納得できました。彼は、それまでのデタッチメントから何にコミットしていくかについて悩んだこと、そして、これからのコミットメントについてどうしていけばいいのかと考えていること。
河合先生は、それについて分析家の「静かで深いコミットメント」について語っています。それから、結婚についての対話のなかで、「井戸掘り」についても。
深いコミットメントは結婚においても重要であり、もちろん、すべてのコミットメントにいえることではないかと思いました。
人を理解しようと思ったら、井戸掘りするしかしょうがないですね、と。
自分は理解されないという思いをする人が増えている。その、一方で、人との深いつながりを求めている。自分の理解を深く掘り下げることにより、相手の理解がより深まるのではないかと。

深い人間関係について、ゆっくり考えさせられる一冊です。

概要:平易な言葉で綴られる、深遠な世界!!!魂の深みに響く対談!
本文:この対談、言葉は平易ながら、人間存在の根本に響く深みを持っている。だから、決して易しくはない。ステレオタイプの常識的な世界観、価値観を捨てられない人には、決して理解することができない内容である。いや、理解するという言葉は適切ではない。むしろそれは、自分自身で問題と向き合い、出来合の答えに満足することなく悪戦苦闘した経験のある者だけが、初めて共感することのできるような世界ということができるであろう。だから、論理的で明快な回答を求める読者にとっては、この対談は思わせぶりで曖昧なものにしか映らないであろう。これは柔軟でありながら、強靱、繊細でありながら、爆発的なエネルギーを秘めた精神の世界。宗教、芸術、狂気、創造、病と癒し、愛と憎しみ、時代の精神、歴史性、対談はあるいは深く、あるいは広く、自由に紡がれていく。特に河合隼雄氏の言葉は、しばしば人間の心の深淵を覗かせて、恐ろしささえ感じさせる。これだけの内容のもの、よく文庫になった! と喝采したい!!!

概要:夫婦の共同作業は井戸を掘ること!
本文:このお二人が繋がっていたことに、まずブラボー!
抽象的ですが、「あらゆる社会的行為は人生に重なる」という内容だと思います。
角度を変えて人生を見つめ直すきっかけを与えてくれるはず。

自分の物語をつくる重要性から始まり、何に対して、どのようにコミット(関わる)していくのか。
また、夫婦の意義についての村上氏の質問には、夫婦とは、共に井戸掘りをしていく関係、と述べられたりしています。
苦痛のない正しさは意味の無い正しさだ,とも・・・。
自己矛盾を認識した上で洗練されたずるさというか、バランス感覚が大事であると一致した意見に興味を持ちました。

お二人の社会に対するアプローチの仕方は相違しますが、深く生きていくためのエッセンスは盛りだくさんです。

村上氏が、村上龍氏を讃えているページもあったり・・・。
今後、村上作品を読む上でも参考になる一冊だと思います。

概要:対談っておもしろいなあと思えた一冊
本文:村上春樹さんというひとはおもしろいひとで、車はきらい、と言ったかと思うと、イタリアの車を買ってうきうき運転をするし、日本の対談ってほんとにつまらないと言ったあと、こうして対談しています(笑。矛盾したひとだといいたいわけではなく、村上さんはご自分の行動に対して根拠ある説明があるかたなので、どうして考えが変わったのか興味深くて本を手にしました。
私はこの対談によって、村上春樹というひとは日本とその文化にコミットをしようと
ようやく意識し始めたのではないかと思っています。それまで村上さんは日本という国に対してそれほど愛着がなく、むしろ外国に興味があったと思うのです。しかし、この対談が変えた。そのきっかけを与えたのが河合さんだったのだと思うのです。河合さんは、村上さんにとって日本の偉大なる父のような象徴だったのではないかと思います。村上さんのその後の作品に河合さんは大きな影響を与えているように思いました。


概要:それぞれの単著が読みたくなる
本文:
 村上春樹と河合隼雄の対談集。
 京都で二日間行われたものをほとんど手を入れずに収録しているということだが、作家が作品を作るというプロセスと、心理療法家が療法をする際の視点の「共通軸」を掘り下げながら、欧州、米国、日本の個人の捉え方についての比較文化論も交えて話が進む。

 ・・・という内容は、まあ、読んでみたらわかることなのだけれど、僕にとっては、芸術がおよそ芸術である為に必要な事項、というものを再認識する上でとても役立った。
 村上春樹の創作の仕方や井戸についての話はよく理解できる(この理解できる、というのは曲者であって、厳密には理解したつもりになっている、ということなのだが)し、河合氏の箱庭療法についての挿話などは、ライフコーチングでの類似の場面を思い出したりして、とても興味深い。

 途中で出てくる源氏物語における霊の現実性と現代における霊の装置性の対比や、現代において装置として登場するそれらのものは、ある時点で装置を超えざるを得ず、超えて初めて芸術足り得るという河合氏の見解は簡潔にして、的を射ていると感じる。

 恐らく、この対談集から何を読み取るか、ということは人それぞれだろう。
 惜しむらくはフッターノートに書かれているコメントに今一歩の深さが欲しいことで、これは恐らく校正の時間や、発表媒体の性質に拠るものだとは思うが、勝手ながら、それぞれの深い見解をもっと聞いてみたかった、という気もする。


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