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個人輸入代行の『舶来屋』がお薦めする「 津村 記久子 」関連の書籍をご紹介しています。


著書名 ポトスライムの舟
著者名津村 記久子
出版社 講談社
ASIN 4062152878
装丁 単行本
価格 ¥ 1,365
感想文概要:芥川賞ってナニ?
本文:と感じずにはいられなかった。ストーリーに動きがない。登場人物も退屈でした。
読み終えた私をえらいと思った。
読後の感想は「で、何を言いたかったの?」という感じでした。
私も自宅ですから、仕事3つ持ってれば月に13万貯めれるなーとか。派遣じゃないけど。
ナガセが夢を持ったいきいきとした人なら分かる。でも全然そうじゃない。
飄々とした彼女がなぜ世界一周なんてパワーのいることをしたいのか、全然伝わってこなかった。
津村さんは悪くない。「現代の若者って夢があってもパワーないんですわー」と、こういう小説なんだと思えば。
ただこれが芥川賞受賞ってどうなの?と思う。
受賞したことで期待感を持って呼んだために、落胆も大きかった。
津村さんが気の毒にも思えた。


概要:ほんとにこれが芥川賞?
本文:ほんとにこれが芥川賞?という感じです。
関西弁が悪いというわけではないんですが、
文中に出てくる関西弁は読みにくいです。
みなさんがおっしゃってるとおり文中には
いくつか疑問があり、読んでて腑に落ちない
点もいくつかありました。

概要:世界一周したいな
本文:前半の「ポトスライムの舟」は、「世界一周できるだけのお金をためること」を目標にするということに新しさを感じました。自分も世界一周したいと思う気持ちがあり、そんな題材を扱った小説はこれまで読んだことが無かったのでそう感じたのかもしれません。
現在の社会状況を交えながら、シンプルに読みやすくまとめられていました。

後半の「十二月の窓辺」はよくありそうな話でした。読んでいるうちにストーリーがよめてしまいました。あまりオススメはできません。

概要:これぞ純小説
本文:若者が正社員を選ばない理由は、不景気のせいだけではありません。
傷付きやすい現代人の心を見事に描ききった純小説でした。

就職というのは「結婚」です。
そして転職というのは「再婚」です。

つまり正社員とは、一生を共にするパートナーを見つける行為です。
とくに、一度離婚した人、つまり退職した人のことですが、
今度こそは、理想の相手(会社)と再婚(転職)したいと必死です。

主人公のように、前の夫(前の会社)から、DV(パワハラ)を受けて、
離婚(退職)した者にとっては、再婚(転職)は、切実な問題なのです。
彼女はまた傷付くのが恐い。骨を埋められる会社を探す気になれない。
現代では、逃げ道として、派遣や契約社員を選ぶ若者が増えたのです。

ちなみにワーキングプアの女性は、ワーキングプアの男と根本的に違います。
派遣村なるものが、話題を呼んだとき、なぜそこでテント暮らしをする連中が、
男ばかりなのかと、不思議に思いませんでしたか?
派遣社員はむしろ女性のほうが多い。
おそらく、派遣村でテント暮らしをしていた男たちの大半は
家族関係が破綻していたのではないでしょうか。

本作品に登場する女性たちの、人間関係をみてください。
不景気だけの理由で住む場所がなくなることはありません。
女性は「家」を守るという本能があります。
「家」に対する帰属意識も男より高い。
そういうことがよく分かる物語です。


概要:さらっと読める、半身浴のような本
本文:酷評されていて一度は読む気がおきなかったのですが、芥川賞受賞ということで読んで見たら・・・面白いじゃないですかっ。ポトスライムの舟。「さりげなくて面白い」と帯にあるとおり、さりげなく笑える。荒んでいた心が温まるような。風呂に入るのにたとえると、バブルバスでしゃきっとリフレッシュ!という読破感を求める人には合わないかもしれませんが、半身浴が好きな人は満足できる作品かと思います。じわじわボディブローのように効いて、気づくと何だかほっこりしているような。私の中ではそんな作品です。

著書名 ミュージック・ブレス・ユー!!
著者名津村 記久子
出版社 角川グループパブリッシング
ASIN 4048738429
装丁 単行本
価格 ¥ 1,575
感想文概要:至極まっとうにかけがえのない日々
本文:本当にそんな感じでした。
文章も、物語も、普通であることが輝きを放っています。

メール送信のくだりとか大好きです。

概要:まさにミュージック・ブレス・ユー
本文:鳥肌が立つほどぐわっとくるシーンがありました。

全体としてはまぁそれなりに上手に人間を描き出す人だなぁと思って読んでいましたが、まさに、ミュージック・ブレス・ユー!! なシーンがあります。

びっくりしました。さくさく読めるし、おすすめです。


概要:ミュージック・ブレス・ミー
本文: アザミは、多分小学生の時にアスペルガー障害の疑いありとでも言われたのだろう。だが、「普通」や「標準」なんてどこにもないように、アザミはただアザミだ。アザミの通う高校は、周りのみんなが当たり前のように四年制大学に現役合格してしまうことから、地方の進学校らしい。
 常にイヤフォンをつけ、マイナーなアメリカン・パンクを聴くアザミよ、その鎧は君をこれからもずっと励まし続けてくれるよ。音楽の話なんか誰とも合わないし、バンドなんてもう絶対にメンバーと嗜好が合わない。でも自分に大切な物があるということは、とても重要なことだ。私はトノムラだった。だから保証する。音楽はずっと君を勇気づける。音楽は君を祝福し続ける。
 津村さんのこの小説は、オチもないしカタルシスも事件もないが、夢中になって読んだ。高校生が主人公だが、高校生の親くらいの年代だとグッとくる読み応えだ。私は小説の主人公の名にあまり意味を見いださない方だが、アザミはいい。とげとげした葉っぱ、一人だけやけに背の高い立ち姿、遠くからでも目立つ紫の野花。


概要:「ほんなら、またね」
本文:アザミ。高校3年生。「音楽について考えることは、将来について考えることより
ずっと大事」な日々を送っている。
髪は赤。メガネ。歯にはカラフルなゴムをはめた矯正器(もっともこれは、歯科医の強烈な
色彩のセンスといおうか。こんな歯科医がいたら楽しい!)。
背は高く、いつでもイヤホンを耳に突っこんでパンクロック三昧の女の子だ。
そんなアザミのおよそ半年ほどの軌跡。

どこへも踏み出せないまま、音楽に浸り、焦燥感もちらつかせながら
学校とバイトに紛れてゆくぐだぐだした日常。
大阪弁がリアルで、何気ない会話が活きている。
全部、日常のこまごました事象であり、心の動きであるのに
ああ、どうしてこうも胸に突きささるのか。忘れ去られてしまう、一瞬の出来事と
それに付随する思いを、こんなにも丁寧にそしてリアルになぞって、それが
読み手のなかに陰翳に富んだ軌跡を遺すのだ。

自分と他の友人との違いをアザミはゆっくり見つめる。
親友チユキの恋の行方、同級生のナツメさんやトノムラとの関わり、時々メールをやりとりするイギリスの女の子アニーなど、それぞれのエピソードがアザミ自身を
逆照射するものになり得ていて、読み飽きない。
チユキという子の知的なくせに、妙に熱い血を滾らせた小気味よい正義感は
忘れがたい。
もうひとつ、一見放任のようにみえる両親とアザミとの関わり方が印象的。
明らかにされてはいないが、どうやら学習障害と診断されるような行動癖があったことが
ちらりと出てくるのだが、両親の、アザミが元気で今在るだけで充分良し、とする
スタンスがいい。

そのただ中にあるときには決して見えない輝きを掬いとって、青春という
時間の無二の姿が、今の私には尊くさえ思えた。 


概要:せつない
本文:高校3年生のそれぞれのスタートに向かっている一年
でもそれは別れにもつながっている
読み終わった時にはなんともせつない気持ちに
させてくれる一冊です
そして読み終わった後に本を見直すとカンバラクニエさんの
イラストもふくめてとてもスッとした空気を
改めて感じさせてくれます

著書名 カソウスキの行方
著者名津村 記久子
出版社 講談社
ASIN 4062145375
装丁 単行本
価格 ¥ 1,470
感想文概要:独特の味わいに癒される。
本文:第138回芥川賞候補作品というが、もし受賞していたら、へえ〜と思わされていたかもしれない脱力系。でも候補になったのも納得できる独特のユーモアと展開。仮想恋愛の記録に兵馬俑のノートってねえ、あなた! しゃちこばった人生論より、この小説を読んだ方が人生生きやすくなる人は多いはず。併録されている他の2作と合わせて、3作とも面白い!好き!


概要:律義者は電子ガメの夢を見るか
本文:三作の短編が収録されているが、その三作が三作とも、主人公が律儀だ。

「カソウスキの行方」のイリエは、好きだと仮定した相手、森川の
健康診断書のコピーや森川から借りたものを、
会社の経費で買った兵馬俑のノートに記録していく。

「Everyday I Write A Book」の野枝は、後輩なおみちゃんに自作の化粧水を
提供してやり、肌質の変化を携帯電話のメモ帳に入力している。

「花婿のハムラビ法典」のハルオは、恋人サトミから受けた不義理を数値化して
手帳にスコアリングしている。

律儀で、概ね善良な社会人が、生きていく上で被る世間との摩擦と、
いかに折り合いをつけるか。それは妥協というのではなくて、
工夫のような気がする。自分のできることをする。
独りよがりな自己犠牲であっても、
傷ついた者から同じように傷ついた物へのささやかな献身であっても、
惚れた弱みとしか言いようのない赦しであっても、
自己と他者のへだたりを踏まえた上での精一杯の関わりがあると思う。

どろどろとした恋愛感情を描いているわけではないから、
希薄な関係性に見えるけれども、なんだか、温かみを感じる。
思いやり、なんて書くと、ほのぼのしすぎだけれども。

「カソウスキの行方」で、イリエが同僚・藤村の息子に語りかけるシーン、
小児喘息の吸引機の思い出について。あそこがしみじみと好きだ。
随所に笑いどころが挟まっているのもいい。
「年金と介護について」の下りは噴いた。

三作ともバランスがとれていて、安心して読めました。


概要:カソウスキの行方、気持ちの行方
本文:津村記久子さんの作品を2作読んで思う事は、
おそらく怠け者やおちゃらけ者でもあり、
しっかり者でこだわり人間なのだということ。
なんとなく自分に似ていると思えてならない。
彼女の方が何倍も味のある人間には違いないだろうけれど。

プッと笑ってしまう箇所が多々あり、
物語の舞台も現実的で、
しかも主人公が同い年で。
楽しめた。
このくらいの年代って強くてもろい。
自分がそうだし、主人公もそうだったから
けっこう自分は一般的なのだろうかと思ったけれど、
いや、おそらく私たちが少数派なのだろうと感じる。

女って男を求めるものだ。
男女の友情など成立するのだろうか?
長年疑問に思っていたことを読んでいる間中ずっと
考えていた。
成り立つならば、そういった相手が私の目の前に現れても
おかしくないのに。

概要:今に飽き好きだと思い込んでみる
本文:平凡な生活の中で変化を求める為
好きでもないのに好きだと無理から思ってみる
空元気でも元気
の言葉の「好き」版だ
テレビで人気の「あいのり」とはまた違った強制恋愛は
絶妙な心理描写が描かれ
二人だけの世界よりも
周りを大いに絡めた展開が見ものだ
基本ユーモアなので軽く読んでみてください

著書名 八番筋カウンシル
著者名津村 記久子
出版社 朝日新聞出版
ASIN 402250529X
装丁 単行本
価格 ¥ 1,470
感想文概要:飽きた
本文:著者の作品はこれまでに何冊か読んできたが、今回は初めて通読することが出来なかった。退屈で、半分で飽きてしまったのだ。 これまでの作品より、登場人物の魅力が乏しく思えた。

概要:我々は永遠にそいつらより若い
本文:読み終わって、デビュー作の「君は永遠にそいつらより若い」のアンサーソングのような作品だな、と思った。
できれば、前著を読んでから、これを読んで欲しい。
物語は主に主人公タケヤスが三十歳の現在と中学生の部分に分かれる。
「八番筋カウンシル」というスマートな印象のタイトルとは裏腹に泥臭い商店街の話である。
紹介文を読んで、青年が活躍して事件を快刀乱麻、みたいなのを期待して読むと裏切られる。
小市民の、とくに大人のいやらしいところがしつこく書かれていて、
それに対する十四歳のタケヤスはやり込められる子供として静かに怒りを溜め込み、
三十歳のタケヤスはシニカルだがやはりそこに真っ向から立ち向かって行くことはしない。
中学生のときに起こった事件ではタケヤスは、
事件に極近いところにいたにもかかわらず、大人たちから蚊帳の外にはじかれた傍観者であり、
三十歳の今はショッピングモール建設の噂に踊らされる大人たちに強引に輪に引き入れられながらも一歩退いた観察者であり、
そこで感じた違和感を分析しようとするフィールドワーカーでもある。
つまり地味な主人公だ。
しかしその地味な粘り腰と偶然の出会いの連鎖によって過去の事件の真相と、
その副産物として暴かれたもうひとつの秘密が明らかになる。
淡々と書かれているが、これは暴力の話である。
どこにでもありながら、黙認され、または見過ごされて裁かれない暴力を、
あらためて糾弾する物語である。
かつて大人に踏みつけられた子供たちが、成長し、それを晴らす。
彼らは永遠に大人たちより若く、智恵と行動力を身につけて戻ってくる。
踏みつけられたことに気づかないまま大人になった者と、
力強く外に向かって踏み出して行く者、その二人の対比に胸を衝かれる。
幸・不幸は他人が判断するのもではない。
そして、ほぼ破綻した家族しか出てこなかったこの作品のラストシーンで、
作中、セリフ一つない彼の大人になった姿に大変な救いを感じた。
津村記久子は人情作家だ。


概要:受賞作よりも…
本文:「カソウスキの行方」「アレグリアとは仕事はできない」「ポトスライムの舟」と津村作品を読んできたのですが、私にはあまり向いていないと感じていました。
たる〜い感じのヒロイン達に、イライラしてばかりいました。

かつての幼馴染たち3人がメインキャラですが、語り部は作家の卵のタケヤス。
男性によって語られ、おまけに舞台は商店街。
お、今までとちょっと違うぞ、と引き込まれる。
会社を辞め、作家業に専念しようとするが、ホカリのじいちゃんのやっていた店の在庫を売ることになったタケヤス。
たる〜い感じの商売で、あいかわらずやる気のない主人公…と思ったのですが、今までと違うのは縦に横にと展開があること。
巨大ショッピングモールの出店に商店街は賛否両論。
商店街の面々のキャラクターも面白い。
15年前の事件も語られ、その時、犯人扱いされ街を出ていった少年・カジオがショッピングモール建築の仕事で戻ってくる。
彼の冤罪が判明し、真犯人が見つかる。
なかなか面白かったです。
幼馴染たちの成長と、未来への不安感が描かれるだけでなく、商店街の人々の様子や、利権が絡んだ時の様子など作品に幅と奥行きが出て、私は受賞作よりも面白かったと思います。
タケヤスの昔の作文など、凄く良いです。
ただ、津村さんの文章は、読みにくい。
もう少し読みやすくならないかな〜。
テーマ、キャラクター、題材は凄く良いのですから、次、期待しています。

概要:ちょっと期待外れ
本文:著者の作品は「カソウスキ」しか読んだことはないけど、この作品は面白かったし、「ポストライム」で芥川賞も受賞したし、この「八番筋」もかなり期待していいんだろうなあ、と思って読んだんだけど、結果イマイチでした。登場人物のキャラや商店街の複雑な人間関係などはよく書けているとは思うけど、主人公のタケヤスのカヤナへの想いが、あまりにも単純で、しかも作品中にくどいほど出てくるところが、作品全体の厚みというか深みの無さにつながっているような気がする。この部分は、特に男性には違和感があるんじゃないかな。

著書名 アレグリアとは仕事はできない
著者名津村 記久子
出版社 筑摩書房
ASIN 448080417X
装丁 単行本
価格 ¥ 1,470
感想文概要:コトバになったうれしさ
本文:本の中でも「丁寧」、を通り越して「執拗」に描かれる通り、日常で感じるストレスの最たるものは、ストレスを感じる対象について、周りが共感してくれなかったり、無関心であることでしょう。特に、「そんなこと気にしてどうするの?」は、ものすごい破壊力で、「え?悪いのは気にしちゃう私?違うよねえ。そもそもこいつの働きが悪いんだよねえ」と、堂々巡りスパイラルに入る。当然、自分の脳内限定で。

だからこの本は、そういったイライラがものすごく克明に描かれていて、少なくとも同じ思考の人が一人(著者)はいてくれる、読者もいるからもう少しいるかもしれない、「こんな堂々巡りをしているのは私だけじゃないんだ」と確信させてくれる、画期的な本です。

とはいえ、執拗にコトバ化されたストレスの数々をものすごい強度で浴びるので、それを笑える心の余裕が必要です。後半の「叙事詩」は、窒息感に耐えきれず、やめようとしたら、後半に救いがありました。最後まで読むことをおすすめします。

概要:“許せない!”と思うこと
本文:人の心のなかの、ぐちゃぐちゃ思っていたり、ねちねちと考え続けていたりすることを、
津村さんはいつもリアルに再現する。
実際、コピー複合機や紙折り機の不調は、私の事務所でも頻繁に起こる。
でも、うちのはボロボロの旧式だから……と、営業ともども人間が耐え忍んでいる。

「アレグリアとは仕事はできない」に描かれた、会社の日常のリアルさと滑稽さ。
身に覚えがある人は多いだろう。
ミノベの役回りになってしまったメンテのフォロー。
そう、廻るエリアが決まっているからいっつも同じ担当者が来る。
で、頻繁だとお互いとても気まずいのだ。

アレグリアが最新式と謳われた機種であるだけに、動かないことが許せないミノベ。
ミノベの苛立ちを理解しない周囲との温度差がおもしろい。ミノベのように、果敢に
アレグリアに立ち向かう者あれば、先輩のようにじぶんの胸ひとつに不満を留めようとして、
コワレる人がいる。
アレグリアの不調の理由が、思いもよらないことであっただけに、翻弄された人間関係が
際立って、滑稽にも虚しくも感じられる。

「地下鉄の叙事詩」も、煮詰まった場の人の心理描写と濃い空気が、本当にリアル。
混んだ電車で通勤通学する人なら、誰でもこんなこと、しょっちゅう思っているはず。
気持ちのいい話ではないが、濃密な描写が津村さんらしい作品だと思う。


概要:生存戦略において常勝解は存在しない
本文:日々、生き残るための様々な戦略が編み出されているが、どのような状況でも常に勝利できる最適解の存在しないことはゲーム理論によってすでに明らかにされている。それでもアレグリアを始め、登場人物たちはみななんとか自分だけはあまり消耗もせずにうまく生き残ろうと智恵をめぐらす。先輩が採ったような戦場からの離脱も選択肢の一つだ。岸に上がってひと息つけば、人間社会の阿鼻叫喚の大河の中にいては見えない風景が見えてくるに違いない(もっとも先輩は結局はまたこの大河の中に戻っていくのだろう)。

概要:ミノベとアレグリアのキャラが凄い!
本文:この物語は、ミノベとアレグリアの戦い。
アレグリアと真っ向から戦うミノベが凄い。
怒鳴りつけたり、飛び蹴りをくらわすかと思えば、細かくデーターを取って無能力ぶりを分析したり…。
一方、アレグリアの性悪ぶりも堪らない。
そうそう!こういうのあるよね。
サービス呼ぶと急に直っちゃったり…。
何故、この機械だけアダシノだけが担当で、時間外で対応するのか…。
ここに隠された謎が解明されて、そう言う訳かと納得
もう一作の「地下鉄の叙事詩」
混雑した地下鉄の中に渦巻く敵意や悪意で、背筋が薄ら寒くなるほど。
私には、やや読みにくい文体ではありますが、芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』を読むのが楽しみです。

概要:罪を憎んで人を憎まず
本文: 「コピー機が憎い!!」を改題したことからも分かるように、アレグリアは印刷・コピー複合機である。すぐに不可解なウォームアップに入ったり、紙詰まりを起こしたり、実際腹の立つオフィス機械は多い。擬人化して「ふざけんなよ忙しいのに」などと悪態をついたり、「何でもぴーぴー文句言うんじゃないよ」などと機械を叩いて苛立ったりしたことは、私もある。
 本当は、機械には罪はない。整備不良のメンテナンス担当者や、使い方を間違った人間の方に責任がある。だが、誰が責任者なのかを追求するよりは、私たち日本人は機械に悪態をついて憂さ晴らしする方を選ぶ。OLの滑稽なほどまじめな生き様が、微妙なユーモア小説のように仕上がっている。
 併録の書き下ろし「地下鉄の叙事詩」は、不愉快な地下鉄の日常を多面的に描いた物だが、描かれる心情の余裕のなさが息苦しい。

著書名 君は永遠にそいつらより若い
著者名津村 記久子
出版社 筑摩書房
ASIN 4480803947
装丁 単行本
価格 ¥ 1,470
感想文概要:ホリガイさん、かっこいい!
本文:同じ著者の『カソウスキの行方』を満喫した後、同様のあとを引くユーモアを
期待して読み出した。途中まではまさに図星、主人公である女子大生ホリガイさんの、
少しピントがはずれていて情けないけどお人好しのキャラクターに共感しつつ、
周囲のいかにもありがちな友人たちの日常を面白く読んでいた。

が、中盤から少し様子が違う。ホリガイさんの周りでは、リストカット、虐待、誘拐、
レイプ、自殺、シリアスこの上ない事件が続く。一瞬戸惑わされたが、そのまま
ホリガイさんについていくことにした。実はホリガイさん自身も、暴力でねじ伏せられる
悔しさを知っている人間だったのだ。さらに、その悔しさから思い切った行動できる熱い
ハートの持ち主だった。

夢中で最後まで読み終え、現代の病理をこう描かなくては文学の意味はないとさえ思えた。
のほほんと見えていても、主人公のホリガイさんは誰よりも敏感で頼もしく強かった。
こう讃えると、当のホリガイさんは照れ笑いするだろうが・・・

始終熱くなっている必要はないけれど、私たちも「気にしないふり」はもうやめた方がいい。



概要:タイトル買いしてください
本文: 格好いいタイトルとは裏腹に、物語の三分の二くらいは、自らを女の童貞と評する主人公ホリガイ(就職の内定の決まった大学4年の女子学生)の、不恰好な人間関係を、諧謔を利かせて描いていく。それぞれにクセがありながらも、自分の身の回りにもいそうな人々。品のない小金持ち、恋愛にしか自分の価値を見出せないのに、そのことにすら気がついていない女の子、気の弱い善人、気のいい馬鹿、だるそうに見えて気概のある女の子、そ知らぬ顔で闇に飲まれてしまった人。
 一見、青春群像風であるのだが、それだけに留まらず、この小説の核にあるのは、理不尽な暴力への抵抗である。物理的、精神的な暴力、意図的な暴力、水面下の暴力、無意識の暴力。日常のはしばしに顔を覗かせる、人を蝕む力。
 部屋のふすまにグラビアアイドルの切抜きを貼っていたりはするが、概ね平凡な学生であるホリガイを突飛な行動へ突き動かすのは、苦しんでいる人に手を貸したい、という当り前の道徳観念である。しかし、それは「苦しめた側の人間」に対する憎悪を抱えることでもある。作者はホリガイを単なる善人ではなく、憎しみの川の上に張られた救済というロープをわたる道化のように、危うくリアルに表現していると思う。
 是非、最後まで読んで、タイトルの持つ意味を知っていただきたいと思う。

著書名 婚礼、葬礼、その他
著者名津村 記久子
出版社 文藝春秋
ASIN 4163272607
装丁 単行本
価格 ¥ 1,200
感想文概要:確かに
本文:お葬式って、親族の知り合いとかで、本人のことまったく知らないことが多い…。
しかも、そのお葬式に出ることが、何層にも重なった犠牲の上にあるもので、自分がそこにいる意義が全然見出せなかったら…。

切れ間なく押し寄せるハプニングに笑いながらも、お葬式の本音のような部分がものすごくわかるような気がした本でした。

概要:けっこう笑える
本文:表題作を文學界で読みましたが、ユーモアがあってけっこう笑えました。爆笑という笑いではなく、クスクスという感じの笑いです。爆笑だけが良い笑いとは思わないので、日常でこういう笑いが時には感じられる小説があっても良いと思います。物語的には特に面白くも何ともありません。ストーリーの面白さを期待する人は読まない方がいいです。「なにこれ?つまらない」と間違いなく思うはずです。遭遇する出来事に主人公が何を感じているのかを読む小説ですので。純文学ですから。

概要:面白くも何ともない
本文:表題作について述べます。面白いとか笑えるとかの評がありますが、私には全然面白くもおかしくもなかったです。それは何が悪いのかといっても、私には伊丹十三の『お葬式』が全然面白くなかったので、感性の違いでしょうか。とりあえず、「面白くなかったぞ」という人もいるということを表明するために書いておきます。好きな人たち、ごめんなさい。

概要:一大イベント?
本文: 文藝春秋発刊の本でこれだけ笑えるとは思いませんでした。
 友人の結婚式のスピーチ&二次会の幹事を引き受けることになった「誰かを呼びつけた記憶のない」OLヨシノは、結婚式に出席しているところを上司の父親の葬式に呼び出され。これだけでも十分波乱含みなのに、さらにこまごまと引っ掻き回されます。
 肝心ところのうねり、盛り上がりがすこしばかり小さいところが惜しい。しかし人が結ぶ縁とは奇なるもの。ヨシノと一緒に「どいつもこいつも!」と毒づきたくなります。話の締め方も好みに合いました。併録の「冷たい十字路」も良い小品です。

著書名 君は永遠にそいつらより若い (ちくま文庫)
著者名津村 記久子
出版社 筑摩書房
ASIN 4480426124
装丁 文庫
価格 ¥ 609
感想文概要:
本文:

著書名 女が読む太宰治 (ちくまプリマー新書)
著者名佐藤江梨子, 山崎ナオコーラ, 西加奈子, 雨宮処凛, 津村記久子, 辛酸なめ子, 平安寿子, 井上荒野, 太田治子, 高田理恵子, 香山リカ, 中沢けい,
出版社 筑摩書房
ASIN 4480688129
装丁 新書
価格 ¥ 714
感想文概要:
本文:

著書名 季刊 真夜中 No.5 2009 Early Summer
著者名
出版社 リトル・モア
ASIN 4898152678
装丁 単行本
価格 ¥ 1,260
感想文概要:
本文:

芥川賞 さん



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